【大紀元日本9月13日】インド北部でウイルス性脳炎が流行しており、すでに250人が死亡している。死者の大部分は児童で、約400人が現在病院で治療を受けている。
インド国内の報道によると、多くの死者は貧しい村から病院にやって来た患者である。感染源は大部分がエンテロウイルスによるもので、一部が日本脳炎ウイルスによるものである。医者らは、エンテロウイルス感染の致死率は日本脳炎ウイルスよりも高いのではないかと指摘している。
UP州(ウッタルプラデシュ州)ゴーラクプルBRD教学医学院小児科のクシュワラ氏によると、感染源のウイルスは日本脳炎ウイルスとエンテロウイルスの2種類で、後者はポリオウイルスとコクサッキーウイルスに関係し、全身、特に脳に影響を及ぼすという。
エンテロウイルスは経口感染と呼吸器を経由する飛沫感染によって伝染する。感染初期には臨床症状がなく、ウイルスが全身の器官に蔓延してはじめて症状が現れる。しかも、エンテロウイルスは強い生存力を持ち、アルコール消毒剤にも耐えられるし、一般洗剤や下水道の中で3~5日間生存できる。
現地医師の話では、ワクチンの不足によって、流行はなかなかコントロールできないという。患者の家族の話では、低温輸送条件の不備で、輸送中で変質したワクチンを廃棄せざるを得ない状況であるという。
医師によると、今度の流行は6か月から15歳までの乳幼児・児童に対する影響が最も大きい。多くの患者が農村に住んでいるため、流行のピークは10月まで続くという。
UP州はインドで人口が最も多く、最も立ち遅れた地区のひとつでもある。医療施設や安全な飲料水も不足している。さらに7月は北部の雨期で、医療方面における苦境も深刻化している。衛生部門職員は、今年は近年にない深刻な状況だと話している。昨年インド北部で脳炎流行により少なくとも441人が死亡した。