中国石油、原油流出事故の賠償責任を放棄か

2010/09/16 更新: 2010/09/16

【大紀元日本9月16日】大連市の海域で中国史上最大規模の原油流出事故が発生してから2ヶ月近く経つが、海の汚染により深刻な経済損失を受けた漁業関係者はいまだに損害賠償への回答を得られていない。関連訴訟も中国石油天然ガス集団に阻止されて受理されていない。

中国国内メディアの報道によると、事故の責任者側、国営企業大手「中国石油天然ガス集団」(略称・中石油、英語名Petro China)は被害漁民の損害賠償の要求を無視しているという。

一部報道によれば、中石油は損害賠償の要求に反応しない中、8月はじめには表彰大会を開き、同事故への対応を讃えて、社内の主要管理職や関連部署、個人などを大量に表彰した。それに対し、「まるで事故の責任者側ではなく、救援活動の英雄に変身した」と非難の声が浮上した。

7月16日夜、大連港のパイプラインが爆発し、大量の原油が周辺海域に流出した。これにより、付近の水産養殖業は深刻な打撃を受けた。日本への輸出が中心だが、事故後、日本側はすべての注文をキャンセルし、汚染した海域への漁民の漁も中断された。

一部の漁民は中国国内メディアの取材に対し、「賠償案さえ提示してくれればいい。3年、5年後に補償金を支給されても構わない」などと語った。漁民たちは損害賠償を求めて最高指導部への直訴を試みたが何の結果も得られていないという。

中国の法律では、原油の流出事故の責任者側は、漁業、養殖業、海洋の生態環境と水資源への損害賠償、さらに事故と汚染処理の費用を全額負担すると規定している。。

大連市地方政府と大連海事法院は、「国営大手企業の見方になるのか、それとも漁民の見方になるのか」困り果てている、と一部報道は指摘する。

(翻訳編集・叶子)
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