【大紀元日本10月27日】中国国家測絵局が、4年間をかけて「自主開発」したインターネット地図サービスサイト「天地図」をこのほどリリースした。新華ネットをはじめとする中国国内メディアは21日に、「自主知的財産権」「グーグルマップも超越」と大々的に報じていた。しかし翌日、「使われている衛星写真がGoogleマップのものではないか」と指摘するブログ文がネット上で話題になった。これを受け、同局は25日、自主開発したのはソフトウェアであり、使用する地図データは海外から購入したと認めた。26日付の新京報が伝えた。
21日の新華ネットでは、天地図は「インターネット地図サービスの中国ブランドを打ち立てた」と称え、「自主知的財産権をもつ中国独自の地図サービス」と天地図の「独自性」を強調した。
ところが翌日、一通のブログ文がネット上で広まった。同文は、同じ地点の天地図の写真とGoogleマップの写真を比べたところ、両者は完全に一致していると指摘した。「多くの場所で、道路を走るバスや車の数、形、位置、色がまったく一緒だった」と理由に挙げ、「自主開発」とうたっている天地図は、実はGoogleマップにデータを提供しているアメリカのDigitalGlobe社のものを使っているのではないかと疑問を投げかけた。
国家測絵局は指摘を受け、25日夜、「天地図の衛星写真は外国の商業衛星が撮影した写真を購入し、使用している」と説明し、これらのデータを閲覧・検索可能にしたソフトウェアは自主開発だと強調した。
満を持したリリースから一転した苦しい弁明に、ネットユーザーは落胆している。「中国はたくさん衛星を打ち上げているはずなのに、衛星写真も撮れないの?」「国家測絵局という名前だから、測定と製図(マップを指す)をする所でしょう。本業のほうは海外の民間会社頼みか」「地図ソフトはデータ製作が開発費の7割かかるというが、なんという手っ取り早い方法だ。浮いた開発費の行方は?」と、冷やかす声と疑問の声が噴出している。