産婦の死から発砲事件 病院院長、マフィアと結託=広東省

2010/11/12 更新: 2010/11/12

【大紀元日本11月12日】10月23日、広東省掲陽市の大通りで、十数名の覆面男が金洋運輸公司に向かって銃を乱射する事件が起きた。医療事故に抗議する村民に対し、病院側がマフィアに頼み、報復・威嚇をはかったとみられる。発砲事件による死傷者は出なかったもよう。

中国国内メディア・新周報8日付の報道によると、事件当日の午後3時、100人以上を乗せたミニバンやトラック十数台が、掲陽市恵来県にある金洋運輸公司の前に停止。1人の覆面男が車から降り、手にした散弾銃でビルに向かって発砲した。男が車に戻ったあと、新たに2人の覆面男が発砲し、その後さらに数名の男がビルに向かって乱射した。

発砲により、ビルの1階から4階の多くの窓ガラスが割れた。銃弾は同社会長の呉漢林さんのオフィスの窓ガラスを突き抜け、天井に数十カ所の弾丸のあとを残した。

発砲が止んだ後も、多くの人が車から降り、ビルの下に停まっていた車を棒や鋼管で襲撃した。高級車を含む8台の乗用車は、窓ガラスが割れるなどの被害を受け、ビル1階の窓ガラスも粉々に割られた。襲撃は10分間続いたという。

事件の発端は、恵来県の県人民医院で出産した村民・翁秀華さん(40)が死亡したことにある。本紙の取材によると、10月20日正午、翁さんは順調に分娩したが、出産1時間後に急な大出血に襲われたという。緊急輸血が必要とされたが、方国宏院長は病院に血液がないとの理由で断った。その後、ないと言ったはずの血液数百CCが分娩室に届いたが、量が足りず、追加輸血について方院長は再び断った。夕方6時、翁さんは大量失血で亡くなった。

現地の村民は、この病院では「紅包」(医者への賄賂)を渡すことは隠れた常識となっており、出産の場合は800元(約1万円)から2000元(約2万5千円)が相場だと本紙に明かした。翁さんの家は経済状況が厳しく、5人の医者・看護婦に100元ずつしか渡せなかったという。

翁さんの親戚の呉煥さんは、病院に渡した金額が少なかったため、輸血の遅れや分娩中の粗末な扱いが生じたと指摘した。「生まれたばかりの赤ちゃんの左肩が脱臼していた。今も左手の一部は動かない。じん帯が切れているかもしれない」と話し、翁さんの出産時刻はちょうどシフト替えの時間にあたったこともあり、子宮内の処理は粗末に済ませられ、最終的に死亡につながったと呉さんは主張する。

呉さんはさらに、同病院は県の病院のはずなのに、完全に方国宏院長の勢力下にあると指摘し、「その裏にはさらにマフィアが存在し、方院長の悪行はいっそう助長されている」と話した。

翁さんの死亡後、元村長の呉漢国さんが多くの村民と一緒に病院へ抗議に行ったが、方院長とその手下に暴力を振るわれたという。しかし、その後方院長が元村長に電話をし、自分のほうが暴力を振るわれたと濡れ衣を着せ、元村長が金洋運輸公司にいることも突き止めた。電話の20分後に今回の銃撃事件が起きた。

今回の発砲事件は今年に入ってから恵来県で起きた3件目の発砲事件にあたる。これまで最大の発砲事件となった。7月5日には、同県交通警察の2人が、深夜に何者かに銃撃され死亡している。この事件もまだ解決されていないという。

(記者・陳怡蓮/翻訳編集・張凛音)
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