【大紀元日本11月17日】中国政府は外資企業と外国人による不動産投資を制限する措置を発表した。専門家は、海外からの投資目的の資金(ホットマネー)の流入防止とインフレ対策だと見ており、「効果は限定的」だとしている。
中国国家外貨管理局と住宅都市農村建設部は15日、外国人は中国国内で居住用住宅1軒の購入しか認められず、外資企業は会社登記の所在地でオフィス用物件だけを購入できると発表した。
ムーディーズ経済サイトの中国人アナリスト・成旭氏はVOAの取材に対して、同措置はホットマネーの流入を防止し、インフレを抑制するために講じられたものと見ており、「今後しばらの間、インフレが深刻化するため、利上げの可能性が十分ある。利上げとなると、投資マネーが不動産市場に流入する恐れがある」と述べた。
中国政府が先日発表した10月の消費者物価指数(CPI)は政府が掲げた通年目標の3%を超え、4.4%の上昇率を記録し、インフレの圧力はさらに深刻となった。
深刻化するインフレについて、政府は10月に3年ぶりに1年物の定期預金基準金利と貸出基準金利を、いずれも0.25%引き上げる方針を打ち出したばかり。しかし、10月以来、不動産の上昇幅が縮まったが、依然上昇し続けている。
カナダ・ウェスタンオンタリオ大学の経済学者・徐滇慶教授は新措置の効果は限定的だと見ている。
「今中国で不動産投資をしている外国人の多くは在外の中国人たち。中国で広い人脈を持っているので、この規制をすり抜けて、各種の名義で購入を可能にする」と述べ、海外の資金を識別する手立てがないことも問題だと指摘した。
ウォールストリートジャーナルの報道は、外国人による不動産購入は現在の市場のわずかしか占めていないため、同措置の効果を疑問視している。中国国家統計局によると、海外投資額は中国不動産市場取引金額の0.8%しかないという。