【大紀元日本11月18日】15日に上海市高層マンションで起きた火災で、17日午前の時点で、いまだに36人の安否が確認されていない。上海地方紙・新民晩報が伝えた。
火災が起きたマンションは28階建てで、158世帯が住んでいた。高齢者も多く住むこのマンションは火災が起きた午後2時頃、「300人ほど在宅していたのではないか」と住民の張さんは本紙の取材に答えた。当局は126人救出したと発表しており、死亡した53人を足しても200人弱である。香港・明報も16日、現場の情報として、死者数は100人を超す可能性はあると報じている。
死亡した53人について、遺体写真で身元が確認できたのは10人のみで、他はDNA検査が必要なほど遺体の損傷がひどい。明報の報道では、一部の遺体はすでに灰化したため、死亡者数の確認が困難だと伝えた。
多くの地元住民は出火当時の火勢はそれほど強くなかった
(ブログhttp://blog.sina.com.cn/chourenよりスクリーンショット)
と証言している。上海市消防局長の陳飛氏は16日の記者会見で、15日午後2時15分に上海市救急センターに火災の第一報が入り、3時16分に上海市消防局に出動命令が入ったと述べた。この1時間の対応遅れが多くの命を失ったことにつながったと、批判の声が広まっている。
当局は現在、火災の情報封鎖に動いている。現場周辺200メートルにわたり、警察により封鎖されており、周辺住民は証明書を提示することで帰宅できるが、記者や一般市民は現場に近づくことが禁じられている。また、負傷者が入院している病院では、親戚の安否を確認する人に対しても負傷者の名簿を公開していない。
さらに報道への封鎖も水面下で進められている。明報の報道によると、新京報やロイター通信社など国内外のメディアが葬儀場で死者家族への取材を行ったとき、各社の記者は40分ほど葬儀場の保安室に拘禁状態にされていた。またあるメディア関係者は、この事件に関する報道を沈静化するよう当局からの緊急命令があったと明かしている。現在、中国国内サイトは今回の火災に関する報道は少なく、内容も救助活動や負傷者の治療に関するものが多い。
当局が公表した情報によると、これまでの火災による死者は53人で、負傷者70人(うち重傷患者17人)は病院で治療を受けている。8人の現場溶接工が身柄を拘束されているが、身元や容疑など詳細は公表されていない。