立ち退きに不服の者に 群衆の前で「糾弾大会」 司法幹部「中国スタイルの解決法」=中国陝西省

2010/11/22 更新: 2010/11/22

【大紀元日本11月22日】中国西北部の陝西省富平県で今年3月5日、政府庁舎前の広場で、農婦二人に対する「万人糾弾大会」が、現地政府と司法・警察機関により行われていた。会場では「違法陳情行為の公開糾弾大会」との横断幕が掛けられ、主席の席に副県長や、県政法院と裁判所のトップらが並んだ。同県の各機関、鎮・郷・村の幹部らも出席した。多数の群衆を前で、二人の女性は警察に手を縛られ、その「違法な陳情行為」を読み上げられていた。40分余り続いた大会の映像は地元テレビ局に生中継で放送されていた。

中国紙新京報の報道によると、二人の女性は、それぞれ土地徴収の補償問題と違法建築の問題をめぐって、現地の政府機関を相手に訴訟を起こしていた。裁判所が公正な判決を下さないとして、今年初めから、二人は最高指導部への陳情に出た。北京市の関連政府機関に陳情の資料を提出した後、二人ともに北京市警察当局に身柄拘束され、地元に強制送還された。そして、今回の万人参加の糾弾大会が召集された。

現地の司法と検察機関の幹部らは、中国国内紙の取材に対し、このような糾弾大会は、「中国スタイルの問題解決方法である」などと説明した。

土地開発ブームの中国では、農民の土地を取り上げ、政府による強制立退きが各地で起きている。立ち退きを拒んで政府に抗議する事件も最近各地で拡大している。最近、陝西省では、立ち退きを不服として抗議行為を行った者に対して、恥をかけさせるために、群衆の前で糾弾する懲罰が政府により行われている。富平県の二人の農婦に行われたのはその一例に過ぎない。

中国国内の各ニュースサイトの報道によると、陝西省安康市では11月初めに、土地の強制収用に不満の村民らは、高速道路の建設工事を阻止したため、17人が身柄を拘束され、地元政府が召集した公開の糾弾大会にかけられた。

インターネットで公開された同糾弾大会の写真では、村民らは後ろ手に手錠をかけられ、首には名前を書いたプラカードを吊るされ、一列に並んでいた。現場には多くの警察がおり、武器を持った武装警官の姿も確認できた。召集された観客の中には、大勢の小学生もいる。

村民らが道路を占拠して工事を阻止した理由について、政府の説明文は、「施工側を脅して、個人の私利私欲を満たすため破格の補償金を要求する」としている。地元紙・西安晩報は「村民は徴収された土地の補償問題をめぐって、高速道路の施工側と意見が対立し、道路を封じるなどの行為で工事を阻止しようとした」などと報じた。

(翻訳編集・叶子)
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