【大紀元日本12月2日】中国甘粛省驪靬(れいけん)村の村民は背が高く彫りの深い顔立ちで、青い目に茶色の髪の毛をしている。それだけではない。このほど、同村の村民のDNA鑑定を行ったところ、約3分の2の村民が白人遺伝子を持っていることが判明した。11月26日付の英紙デイリー・メールが伝えた。
DNA鑑定を主催したのは、先月6日、地元の蘭州大学とイタリアが共同で発足した「蘭州大学イタリア文学研究センター」。同センターは甘粛省驪靬村の村民が2千年前のローマ帝国軍の末裔かどうかについての研究を進めている。
「末裔説」を最初に提唱したのはオックスフォード大学の中国歴史専門家ホーマー・H・ダブス教授。紀元前53年、ローマ軍はパルティア軍とぶつかったカルラエの戦いに敗れ、第一軍隊がローマに戻らず神秘的に失踪したと伝えられている。ダブス教授は、失踪したローマ軍は東へ進む際に匈奴に捕まり、紀元前36年に驪靬村に定住したとの説を50年代に発表したが、注目されなかった。2006年に中国で報道されたことで「末裔説」がやっと脚光を浴びることになった。
「末裔説」を支える根拠に、驪靬村の近くで発掘された永昌西漢墓が挙げられる。ダブス教授は、ここの被葬者は体格が大きく、眉骨が突出し、あごが四角いという特徴を持っていることから、ローマ帝国の兵隊の墓だと推測した。また、今回のDNA鑑定の結果は「末裔説」を証明するさらなる根拠になると期待が高まっている。「驪靬」という村の名前自身も古代中国人がローマ人を呼ぶ言葉である。
一方、今回の鑑定で明らかになった白人遺伝子は古代ローマ軍が残したものか、それとも、中国とローマを結ぶシルクロードを往来する人々が残したものかを判別することは難しいとの見解を示す専門家もいる。
(翻訳編集・張凛音)