【大紀元日本12月6日】25機種以上の最新の無人航空機(UAV)が並ぶ中国の広東省珠海の航空ショー。最新鋭の兵器開発に臨む中国の野心に、欧米の防衛関係者は目を見張った。
11月に珠海で開催された航空ショー「第8回中国国際航空宇宙博覧会」では、ミサイル搭載型の無人爆撃機WJ600などが展示された。ジェットエンジンで駆動するWJ600は、米国がイラク、アフガニスタン、パキスタンで利用したプロペラ駆動の攻撃型無人機プレデターやリーパーより数段、迅速に飛行できる。11月18日付のウォール・ストリート・ジャーナルが報じた。
欧米の専門家がもっとも注目したミサイル搭載型無人ジェット機WJ600は、宇宙開発計画で重要な役割を果たす中国国有企業、中国航天工業公司(CASIC)が展示した。他にも中国UAV 最大手ASN技術集団は大型・小型10種のUAVを展示し、中でも大型のASN-229A機は偵察・攻撃型で、衛星を利用した遠隔操作により直径2千キロメートルの範囲内の目標を攻撃できるという。中国は、受注先などを明らかにしていないが、数多くのUAVが国営企業により展示されたことで、中国軍が相応の時間と資金を開発に投じ、国際市場でその商品を積極的に販売していることが明らかにされた。
中国側は、航空ショーではどのモデルが操作可能の状態かは明確にしていないが、少なくともプロペラ駆動の無人偵察機2機は人民軍が配備しているとメディアに回答している。
UAV開発の分野は現在、技術面・経験で、米国とイスラエルが抜きん出ている。世界の軍事専門サイト「ストラテジーページ(Strategy Page)」は11月19日、米国・イスラエルと同レベルには達していないが、中国が比較に値する無人戦闘機を入手していることが今回の航空ショーで明らかとなった、と報道した。しかし、「技術面でのギャップは縮んだかもしれないが、実際の戦場で無人戦闘機を100万時間以上操作してきた米国との経験上の格差は大きい」と指摘している。
米国水準に中国が追いつくのは数年かかるとしても、11月17日に発表された米政府の政策諮問機関である「米中経済安保調査委員会」の年次報告書は、中国の無人航空機開発を取り上げている。報告書は、「中国人民解放軍は、数種類の無人偵察機・戦闘機を配備している」「中・高高度の長時間無人航空機を開発中で、配備されれば長距離の偵察と襲撃のオプションが人民解放軍にもたらされる」と増幅する中国の軍事力を警戒している。
中国のUAV分野での野心が顕示されたことを受け、インド、日本などが無人戦闘機を開発・購入することに拍車がかかると見込まれている。
一方、11月19日付けのビジネスウィークの報道によると、ロシアの武器技術を模倣してきた中国は現在、武器の国際市場において、ロシアなどの武器輸出国と競争し始めている。大型軍事装備において、中国はすでに武器輸出国のランキンクで第7位に躍進したという。