【大紀元日本12月8日】米コンサルティングの大手、ボストン・コンサンティング・グループ(BCG)は先週、中国の資産管理マーケットについての調査報告書を公表し、中国国内で百万ドル以上の資産を保有する世帯が67万に達しており、米国と日本に続いて世界3位に躍進したと報告した。一方、この数値は中国の総世帯数のわずか0.2%に過ぎないことも指摘した。
同報告書によると、中国の資産規模は2009年、前年度の同期に比べて28%増加し、5.4兆ドルに達した。そのうち、現金と預貯金の割合は61%である。
報告書のデータからみると、中国で百万ドル以上の資産を保有する世帯数は世界3位だが、比率は依然として極めて低く、総世帯数の0.2%に過ぎない。関連の統計資料によれば、米国において、百万ドル以上の資産を保有する世帯数は471.5万で、同国総世帯数の4.1%にあたる。日本では、同世帯数は123万であり、総世帯数の2.5%を占めている。スイスと香港では、その比率はさらに高い、それぞれ8.4%と8.8%である。
BCG社の関係者は、年収が10万ドルから100万ドルまでの中産階級を増やすことが中国の急務である、と指摘している。
また、同報告書は、香港は中国国内の富裕層にとって、人気の投資先であり移住地でもある、とも指摘。2010年6月までの香港への移住者のうち、8割は中国国内からであるという。
富豪はだれか
今回の調査報告書を作成したBCG社は、2007年5月に「2006年度世界財産報告」を公表している。中国では総世帯の0.4%が7割の総資産を保有している、と報告した。一方、日本や、豪州などの国は、通常、総世帯の5%が5-6割の総資産を占める。
2008年8月、メリル・リンチ社と欧州最大のコンサルティング会社キャップ・ジェミニ社が共同で発表した「2008年アジア太平洋地区の資産報告書」によれば、2007年末までの時点で、中国では資産100万ドル以上の世帯は41.5万、その平均資産額は510万ドル。アジア太平洋地区の平均資産額である340万ドルを大幅に上回った。
中国は世界でもっとも富が集中する国だと専門家は指摘している。その資産集中の加速度は、年間12.3%を算出されており、世界の平均加速度の2倍であるという。
中国国内のある報告書は、資産がどのような人に集中しているのかをまとめている。中国最高指導部の国務院の研究室や、中国社会科学院などの機関が出した共同調査報告書によれば、2006年3月までに、中国国内において、27,310人の個人資産(国外での資産を除く)が5千万元を超えている。
一方、1億元以上の資産を有する者は3,220人で、そのうちの2,932人は高官の子女で、総数の91%を占め、総財産は20,450億元余りである。主に体制の権力に依存して得た財産であるという。