【大紀元日本12月20日】2010年も残りわずかとなったが、中国人にとってどのような一年だったのか?中国の人気ネット掲示板・天涯論壇が16日、インターネットで実施した「年度漢字評選」の結果を発表した。それによると、4割近くのネット利用者が「漲」という漢字を選んでおり、まさに物価高騰の世相を反映している。
天涯論壇は11月にスレッドを立てて1か月にわたって投票を受け付けた。入選した265のエントリの中で、39.6%という高い得票率を得た「漲」が2010年の漢字として選出された。
海外中国語放送・希望の声の報道によると、天涯論壇は「漲」を推薦した理由として、「今年、海南島で見舞われた60年ぶりの超大型暴風雨のように、物価高騰のスピードは人々の想像を超えている」としている。また、「深刻なインフレは、中国社会に、国民の基本的な保障、社会福祉、貧富の差などの問題を呈示している」という。
一方、「漲」を選んだネット利用者は掲示板で多くの書き込みを残している。「生姜・ニンニクの値上がり、インスタントラーメンの値上がり、タマゴ・大豆の値上がり、小麦粉、ガソリン、ダウン・ジャケットの値上がりの中で、唯一上がらないのが給料だ...。しかし、われわれはそれでも強く生きて行かなければならない。墓まで値上がってしまい死ぬわけにもいかないからだ」と皮肉ったものもあれば、「今年は新しい事物が沢山あった。※菜奴、蟻(アリ)族、鼠(ネズミ)族、年末に北京で卵型の超ミニ住宅まで出現した。これは全てが「漲」と関係している」と現実を記すものもある。
また、今回の募集の中では、河北省公安局副局長の息子によるひき逃げ事件を指す「撞」もリストアップされた。もう一つのランクされた漢字「慌」は、家賃を負担できない者、大学卒業しても職が見つからない者の心理状況や、生活苦にある農民は政府関係者が現れると慌(あわ)てる社会現象に当てはまることで話題にも上がった。
報道によると、「漲」に次ぐ2位の漢字は得票率6.7%の「怨」で、3位が「灰」、4位は強制立ち退きに関連する「拆」であるという。
※菜奴:野菜をいかに安く買うかに信念を燃やす人。
蟻(アリ)族:大学を卒業しても安定した職に就けず、劣悪な環境で共同生活を送る若者をいう。
鼠(ネズミ)族:地方から北京に働きにきたもので、一般の賃貸住宅(地上)の家賃が高すぎるため、窓のない地下の狭い部屋でシェアして暮らす者をいう。地下の家賃相場は地上の3分の1程度だそうだ。