【大紀元日本12月22日】中国の華北、華中、華南など広範囲で最近、寒波と大雪により氷点下の気温が続き、暖房の消費が大幅に増加した。一方、大雪で多くの地域の交通が遮断され、電力の主要資源である石炭の確保ができず、深刻な電力不足に陥っている。中国最大電力配送会社の中国国家電網公司は20日、これらの地域で電力供給を一時的にストップするか、あるいは使用を規制すると発表した。
河南省、山西省、陜西省、湖北省及び重慶市では、この規制による影響が最も大きいとみられている。
中国の電力供給は、石炭による火力発電が4分の3を占めている。今月に入ってから中国北部は猛烈な寒波と大雪に見舞われ、深刻な冷え込みが続いたため暖房の使用が急増し、火力発電用の石炭消費も大幅に増加した。さらに、大雪で全ての交通が遮断されたことから、石炭の確保はできない状態に陥り、今回の対策を打ち出したとみられる。実際、河南省は現在確保している発電用石炭貯蔵量は3日分しかないという状況だ。
英BBC中国語サイトの報道によると、今回の電力不足をもたらした原因は、寒波による電力需要の急増のほかに、政府がこれまでに多くの小型炭鉱を閉鎖したことがあるようだ。
さらに、石炭を保有している一部の石炭取扱業者は、石炭の価格を吊り上げようとして買い溜めしているという。報道によると、現在流通している燃料関連製品は市場の変動によって値段が上がっているのに対して、政府が管理している石炭の価格は一切上がることがないため、経営難に陥っている取扱業者らが石炭の販売を渋っているという。
今回の電力使用規制対策で寒波を乗り切ることができても、重要な燃料である石炭問題の根本的な解決策は新たに講じる必要があると思われる。
(翻訳編集・豊山)