【大紀元日本12月24日】食品、衣料、住宅などの物価上昇に歯止めがかからない状況の中で、中国国家発展改革委員会(発改委)は、今年3度目のガソリン、ディーゼルの小売価格の引き上げを発表した。引き上げ率は4%で22日より実施される。
国営・新華社通信によると、今回の引き上げ幅について、発改委価格局副局長・劉振秋氏は、「現在の物価状況とガソリン燃料などの市場供給状況を考慮し、価格の改定時期を遅らせ、引き上げ幅も抑えている」と強調したという。
11月のインフレ率は5.1%で、28カ月以来最大の上昇。発改委は、今回の石油製品価格の引き上げにより、12月分の消費者物価指数(CPI)が0.07%上昇すると示唆したという。
今回の石油燃料価格の引き上げは、原油の価格上昇と中国国内での需要の急増が原因と専門家らは分析している。今年に入ってから、国際原油価格は1バレル70~80ドル(5950~6800円)近辺が続いていたが、連邦準備制度理事会(FRB)が第2回の量的緩和策を施したことで、米経済成長に対する期待が高まり、石油価格は1バレル90ドルに上昇した。
一方、国際石油価格が高騰したまま下がらない状況の下で、中国国内で寒波・大雪に見舞われ、交通が遮断され火力発電用の石炭の確保ができなくなったことから、中国政府は電力の使用規制に踏み切った。しかし、そのため多くの工場関係者がディーゼル発電機の入手に走り、ディーゼル油の需要が急増した。
また、11月分の石油製品消費量は2007万トンで、前年同期比15.2%増である。その内の1316トンがディーゼル油で、前年同期比約21.4%の増加だった。1日平均消費量はこれまでの記録で最高の数値に達したという。
一方、北京当局は、農業、漁業、林業、都市バス、農村地区バス関係者に対して、政府の既定政策に則り補助金を分配し、タクシー業者に対しても臨時補助金を配分すると強調している。