【大紀元日本12月25日】中国共産党系誌「小康雑誌社」は清華大学との共同調査で、今年、国民が最も関心を寄せた項目のベスト10を選出した。ここ数年トップの座を占めていた医療改革に取って代わり、物価問題が首位、住宅価格が2位となった。
同調査は「小康雑誌社」傘下の研究センターが2005年から行ってきたもので、今年は11月に行われた。今回の調査は中国の東部、中部、西部で均等に行ったもので、性別、年齢、収入も統計に入れて平均化したことから、信頼度は95%以上と同センターは自負している。
今回あげられた29項目の中で、物価、住宅価格、医療改革がトップ3となった。また、4位から10位は、食品安全、教育改革、住宅改革、社会保障、就業問題、収入配分改革および腐敗問題となっている。
インフル問題が深刻だった2008年の調査では物価問題は12位だったが、今年は一気に1位に躍り出ており、「これまでなかったこと」と小康雑誌はコメントしている。
国家統計局が発表した2010年10月分の消費者物価指数(CPI)は前年同期比で4.4%上昇した。11月になると、CPIはさらに上昇し、対前年同期比5.1%となり、2年4カ月ぶりの高水準となった。中国で深刻化するインフル問題の中、今回の調査結果を発表した小康雑誌の記事で、「歯止めのかからない物価高騰に、国民は、我慢すると同時に、現実に対して多くの不満と諦めを感じている」と警鐘を鳴らした。
実際、国内の物価の高騰から、香港に生活用品を買い込みに行く人たちが増えている。深圳、香港、上海の生活用品価格を比べると、上海が最も高いことから、上海のサラリーマンの間では、調味料、食品、トイレタリー用品などを購入するために「香港で醤油を買う」のがブームになっている。一方、北京では、突然値上がりした豚肉を敬遠するなどの現象が現れている。
また、国民、特に大都市の若い世帯は、物価への不満に比べ、住宅価格の高騰に対して「憎しみを抱いている」と、小康の記事は指摘する。住宅市場のバブルがもたらす高い家賃のため、結婚できない男性たちが中国にはたくさんいるという。
これを解決するために、中国政府は今年の4月と9月に不動産税の徴収など不動産価格抑制策を打ち出した。しかし、調査によると、国民の多くが、不動産税の徴収は不動産価格の上昇を抑えることはできないと考えている。