【大紀元日本12月31日】「中国ワインの郷」と呼ばれる河北省昌黎県で先日、偽ワインの生産が露見した。
昌黎県はワインを生産する企業が100社近く存在し、「野力」、「更好」、「丘比特」、「嘉華」、「韓愈」の5つのブランドが偽ワインとして「ブラックリスト」に名を連ねている。
このうち嘉華醸酒公司のワインは全て、水、アルコール、香料、色素を調合し生産したもので、一滴のブドウ液も使用していないと中国メディアは報じている。同社の工場には看板も掛けられておらず、原料であるはずのブドウ液もない。作業場の一角にある小屋にワイン用の化学原料が山積みにされているだけだという。
ブラックリストに載っている他のメーカーのワインは低価格で、工場出荷時の価格はわずか数元。「混ぜる水の割合が高ければ原価は自然と安くなる」と更好酒業公司の販売マネージャーが暴露し、それでも「酒」として売るためには、見た目から味まですべて特殊な原料で調整してまかなうという。
北京や合肥など多くの都市で販売されている低価格ワインはこの種のワインだという。
また、偽ワイン産業の「繁盛」で、それをサポートする産業チェーンができあがり盛んになっている。
昌黎県近くの秦皇島龍山泉酒業の主要製品のひとつに食用アルコールがある。この主要顧客は昌黎県の一部ワインメーカーで、年間500トンほどの取引をしていると同社の社長は話した。
同県にある食品添加物販売店の社長も、多くのワインメーカーが長年、店から添加物を購入していると話している。偽ワインに使用される添加物は色素、酒石酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、タンニン、香料等だそうだ。
また、偽ワインには当然、偽ラベルが付けられている。偽ラベルの模倣度が95%以上とレベルが高いため、一般消費者には見分けることが出来ないという。これらの表示は偽ワインを名酒に変身させているのだ。