【大紀元日本1月3日】エジプト北部アレクサンドリアにあるキリスト教系の教会前で1日未明、過激派による自爆テロとみられる大きな爆発があり、新年を祝うミサに参加していた信者ら21人が死亡、79人が負傷した。エジプトでテロ攻撃事件が発生するのはまれだが、キリスト教徒が標的になったテロとしては、世界でも過去10年で最悪の事件となった。
1日午前0時半ごろ、アレクサンドリア市内の住宅街にあるキリスト教の一派、コプト教の協会の前に止まっていた車が突然爆発した。同協会の道を隔てて建つイスラム教礼拝所モスクも爆発で損壊した。ロイター通信などによると爆発後、コプト教徒の一部が暴徒化しイスラム教徒と衝突したため、駆けつけた治安部隊が鎮圧した。
同国のムバラク大統領はテレビ演説で「外国勢力のテロ」の可能性が高いと指摘した。また、同国内務省は同日夕、事前にコプト教会攻撃を予告していた国際テロ組織「アルカイダ」関係者の犯行と見ていると発表した。
事件を受けて、アレクサンドリア市に主な勢力を置くイスラム主義組織穏健派・原理主義団体「ムスリム同胞団」は、「暴力はイスラムに反する」との声明を出し、犯行組織を非難した。ローマ法王ベネディクト16世は1日、今回のテロ事件について「差別」という言葉を使って非難。中東のキリスト教徒に対し、「落ち込まないようにしてほしい」と述べた。