【大紀元日本1月24日】2月初旬に旧正月を迎える中国では、干支のウサギがホットな「アイテム」になっている。休暇シーズンが近づくに連れ、ネット通販サイトではペットのウサギが売れ筋商品として取り上げられているが、購入者の中には配送中にウサギが死んでしまい、死体が届けられるという惨事が多く報告されている。英字紙・上海デイリーが伝えた。
同紙によると、大手ネット通販サイト・タオバオ(淘宝)は、ウサギ一匹につき15~2000元(約190~2万5000円)と幅広い価格で販売している。同サイトでペットのウサギを販売する登録業者は、現在600社に上り、「先週1週間に89匹売れた」という業者もいる。しかし購入者のコメントには、「配送中にウサギが死亡していた」という報告が多く書き込まれている。
ウサギが死亡する理由として、配送時のウサギへの配慮不足が挙げられる。一部の業者は検査を避けるため、「ガラス、取扱注意」とのマークを小包に貼り、配送員が生き物を扱っていることを認識していないケースも目立つという。また、旧正月休暇による配達の人手不足や、悪天候による交通網への悪影響で、配達が遅延することもウサギの死因になっている。配送に5日間かかる場合もあり、狭い箱に入れられたウサギはその間に窒息死あるいは凍死してしまうという。
ある配達業者は「5日の配達時間では、ウサギの生存はほぼ不可能」と同紙のインタビューに答えている。また、大手配達業社・申通エクスプレスの配達員は、「中国の法律では、検疫の証明なしで生きている動物を輸送することは禁止されている」と語っている。しかし、一部の業者が利益のために、ネット通販の配達を違法に引き受けているため、「ウサギの苦」に繋がっている。
(佐渡道世)