「先生を密告するぞ」 中国の大学で増え続ける学生工作員=米CIA

2011/01/27 更新: 2011/01/27

【大紀元日本1月27日】米中央情報局(CIA)が2010年11月に発表した報告によると、中国当局は大学などの教育機関で、学生でありながら反体制的な思想を持つ教員と学生の情報収集を行う、「学生工作員」を増やしているという。VOAが伝えた。

学生工作員はいわば、常に目を光らせて教員と学生の言動を監視する役割で、定期的に学校側に報告している。しかし、それらの報告には、普段の恨みや妬みから主観的な意見も付加され、その結果、処罰されたり、公安当局に立件されるまでの被害が出ている。

記事によると、上海市にある華東政法大学の教師、楊師群氏は2年前に自身のブログで「学生に反革命分子だと密告された」との記事を掲載した。授業中に政府を批判したことがあったからであり、「すでに公安当局に立件された」と明かしている。

ほかにも、北京大学経済学院の夏業良教授は2010年11月、自身のツイッターで、授業中の言論に問題があったとして、学生に「反党、反社会主義」の罪名で密告され、大学の関係者から事情を聴かれたとつぶやいた。

密告の対象は外国人教師にも及んでいるという。中国のある大学に外国人教師として勤めたことのあるアメリカ人は「在職中、いつも中国人学生から台湾独立、チベット問題についての考えを聞かれていた」と話す。ある学生は彼の信用を得るために、台湾独立に賛成すると言っていたが、ほかの場では実は正反対の考えを持っていると知ったという。

CIAの報告書によると、1989年の天安門事件後、中国の一流大学で学生工作員の制度が導入されたという。2000年代初頭、同制度は教育改革の一部として、省レベルの大学まで拡大し、2005年から中学校にまで導入された。

中国では文化大革命のとき、夫婦、親子、友人の間での密告が奨励され、後に、それが人間不信を引き起こしたと批判されるようになった。

(翻訳編集・高遠)
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