【大紀元日本2月10日】国際連合食糧農業機関(FAO)は8日、深刻化する中国の干ばつが今年の小麦生産の脅威となると同時に、短期的な飲用水不足を引き起こす可能性がある、と今年初の特別警報を出した。
同警報によると、中国では1400万ヘクタールの冬小麦の作付面積のうち、およそ516万ヘクタールが干ばつの影響を受けている。特に影響が大きい地区は、山東省、江蘇省、河南省、河北省、山西省である。中国の小麦生産量の3分の2がこれらの地区で生産されている。
同時に279万頭の大型家畜と257万人分の飲用水が不足することが予想されている。
米VOAの報道によると、FAOローマ本部の職員は、この冬は零下になる日が少なく比較的温暖だったが、夏季に18度以下の気温が続くと小麦生産に壊滅的な影響を与えると警告している。
中国国家気象部門は、この先1週間、小麦生産の主要地区である山東省では霜が降り、降水確率が下がると予報している。また、昨年9月以来、山東省の降水量は1.2ミリと平均的な降水量を大幅に下回っていることを新華社が伝えている。
FAOの統計データによると、09年中国の小麦生産量は米国あるいはロシアの2倍、豪州の5倍。国際稲研究所(International Rice Research Institute,IRRI)のロバート・スチュワート・ジーグラー(Robert Stewart Zeigler)事務総長はニューヨーク・タイムズ紙の取材に応え、中国の食糧事情は世界各地に多大な影響を与えるものであり、もし中国が本国の需要を満たすため国際市場から食糧を仕入れることになれば、国際的な食糧価格に大きな衝撃となるだろうと述べている。
中国の小麦生産量は世界でトップだが、グローバル市場とは切り離されてきた。2010年以前は、中国は小麦の輸出入はほとんど行っていなかったが、2010年に少量の輸入を始めている。