【大紀元日本2月11日】「携帯写真メールで物乞いの子どもを救おう」。中国社会科学院の于建嶸・教授が先月25日に開設した、物乞いや見世物になった誘拐児童の救出を読者投稿の携帯写真メールで呼びかけるミニブログは、早くも成果をあげている。国内メディアによると、今月8日までの10数日間に同サイトに投稿された児童の写真は1000枚を超え、すでに6人の誘拐児童の身元が判明し、救出された。
8日に父親と再会した彭文楽ちゃんは、同サイト情報により救出された6人目の子ども。2008年3月25日午後7時半、当時4歳の文楽ちゃんは深セン市にある自宅前で遊んでいた。父親の彭高峰さんが目を離した数分後にはもう文楽ちゃんの姿がない。彭さんはすぐに派出所に通報したが、事件として対応してもらえなかったという。近くに設置された監視カメラを調べてほしいと訴えたが、当局関係者は誰も応じてくれなかった。
3年間、わが子を全国探しまわった彭さん一家にとって、于教授のミニブログが救いの手となった。ブログで文楽ちゃんの写真を見た江西省のネットユーザーが、近くに住んでいる子どもによく似ていることに気付き、7歳になった文楽ちゃんの写メを送り、文楽ちゃんの救出につながった。
小学2年生になった文楽ちゃんは、子供を授からない女性に育てられていた。彼女は児童売買の組織から文楽ちゃんを買ったという。
また、7日の朝に広東省珠海市から送られた物乞いの子どもの写メは、当日の午後に陜西省楡林市に住む両親の目に止まり、翌日、子どもが保護されたという事例も紹介されている。
開設わずか10数日で57万のアクセスを突破したこのミニブログだが、于教授はある問題を抱えている。児童の写真が公開されているのに気づいた犯罪組織が、証拠隠滅を図る可能性があることだ。
于教授は、誘拐児童の安全を考慮し、投稿された写真をネットで公開せず関連のデータバンクの作成を検討している。「内部で親たちと写真確認し調査を進める。確証が取れてから救出に乗り出すべきだ」と于教授は話す。
一方、誘拐児童の救出劇を報道する国内メディアの過熱ぶりに疑問を呈するネットユーザーもたくさんいる。昨年末にトラックの下敷きとなって遺体で発見された浙江省の元村幹部・銭雲会さんの事件に多くの注目が集まっているこのタイミングに、感動的な親子対面で盛り上がる報道は、人々の関心を腐敗幹部からそらす意図がある、と銭雲会さんの事件調査にかかわったネットユーザーの話として米VOAが伝えた。また、毒粉ミルク事件で被害者家族が抑圧されたように、今回の活動もいつ当局の神経に触れるか分からず、いつまで続けられるか予想できないと、法律学者の陳永苗氏はVOAに語った。