【大紀元日本3月3日】パキスタンの首都イスラマバードで2日、同国閣僚シャバズ・バッティ氏が市内を移動中に数人の男に銃撃されて死亡した。バッティ氏は死刑を含む同国の法律の冒涜法を強く批判し続けており、宗教問題が事件の背景にあると見て、警察は調べを進めている。
パキスタン少数民族問題を担当するシャフバズ・バッティ大臣は2日午前、自宅から車で出勤する途中に、数人の武装集団に襲われ、数十発もの銃弾を浴びた。バッティ氏はすぐさま病院に搬送されたが、まもなく死亡が確認された。地元メディアは事件後、イスラム強硬派組織が「法律に反対する者を暗殺した」との声明を出し、犯行を認めたと伝えた。
バッティ氏はキリスト教徒で、イスラム教預言者ムハンマドを冒涜した者を死刑などの重罪に処す同国の法律を批判し、法改正を見直すよう訴え続けていた。昨年11月、キリスト教徒の女性がムハンマドや聖書コーランを冒涜したとして死刑宣告を受けて以降、同国では冒涜法をめぐり、イスラム教徒とリベラル派の対立が緊張を増している。
バッティ氏と同じく冒涜法改正を求めていた東部パンジャブ州タシール知事は1月、自分の護衛官に暗殺された。地元テレビ局によると、この護衛官の行動は、国内の多数を占めるイスラム教徒らに正当化される動きが見られるという。
(佐渡道世)