【大紀元日本3月7日】近年、中国大陸の観光客が世界中に溢れている。その驚くほどの消費力から、中国大陸の人は過去10年間で富裕となったとの印象を受ける。しかし、米と金の価格から検証すると、2000年以来中国大陸の国民の購買力は、向上するどころか、平均30-40%下落した、と専門家は指摘している。
中国国家統計局のウェブサイトに発表された『中国統計年鑑』によると、2000年の時点で都市部の住民一人当たりの可処分所得は6280元だったが、2009年にはその額が17175元に増長し、1.73倍となった。一方、米の販売価格は2009年4.0元/キロで、2000年の0.9元/キロと比べ、3.4倍になった。米の価格で計算すると、2000年に一人平均6978キロの米が買えたが、2009年になると4294キロの米しか買えなくなり、購買力はおよそ4割近く下落した。
今年になって、国民の購買力の下落はさらに顕著となっている。国家統計局が発表した全国200の農産品主要産地での変動データによると、2010年うるち米(インド型)1キロ当たりの平均仕入れ価格は年初の2.04元から年末の2.26元になり、上げ幅は10.8%。うるち米(日本型)の総合平均仕入れ価格は年初の2.32元から年末の2.71元になり、上げ幅は16.8%。
華南食糧交易センターの数値からでも同様の結論が得られる。2010年、脱穀前のもみの仕入れ価格は全体的に絶えず上昇傾向で、10月以降、価格は急激に上昇した。うるち米(日本型)仕入れ価格は1月の2260元/トンから年末の2600元/トンに上昇し、年内の上げ幅は15.0%であった。
また、2010年から現在まで、米の値上げ率は賃上げの幅を遥かに超えている。中国国家統計局のデータによると、2010年都市部の住民一人当たりの年間可処分所得は19109元で、2009年の17175元より11%上昇したが、米の値上げ率より低かった。
金で国民の購買力を評価してみても、同じく降下の傾向が得られる。金交易情報ウェブサイトhttp://www.kitco.cnが発表したデータによると、2000年の金の平均価格は300米ドル/オンスで、人民元に換算すると約70元/グラムであった。現在、金の先物価格は再度1400米ドル/オンスを突破し、人民元に換算すると300元/グラムになる。つまり、中国都市部の住民は2000年には年間可処分所得で約90グラムの金を購入できたが、10年後の2010年に63.7グラムしか買えなくなり、約30%下落したことが分かる。