【大紀元日本3月11日】「強制収用で土地を失った農民は4千万人を超え、その6割は貧困に陥っている」。中国人民政治協商会議(政協)全国委員会委員で、吉林省長春市政協主席の張元富氏は9日に開かれた政協第11期全国委員会中央会議でこう発言した。一方、専門家は失地農民は1億人に達すると指摘している。
張元富主席の引用データによると、失地農民は計4千万人を超え、ここ数年は、毎年200万人のペースで増えているという。しかし、失地農民は4000万人以上いるとの見方が出ている。
米国在住の経済学者・何清漣氏が今年1月に発表した文章は、浙江師範大学の王景新教授の関連調査の結果を引用し、13.7%の農民が土地を失っているという。さらに、一人っ子政策違反などで土地を取り上げられた農民の数も入れると、全国で農地を失っている農民は1.27億人に達するとみられる。
何氏は、農業部が発表したデータで計算しても4000万人をすでに超えていると主張する。同部によると、1996~2007年までの11年間、中国の耕地面積は1.25億ムー減少した。中国の一人当たりの耕地面積1.4ムーで割ると、2007年の時点で失地農民はすでに8928.5万人に達している。
また、張主席が引用したデータによると、失地農民の6割は貧困で、80%強は生活に強い不安を持つという。そのうち老後の不安は72・8%で、収入面の不安が63%、医療への不安が52・6%を占めたという
国家統計局が7187人の該当者を対象にサンプル調査した結果、農地収用の際に就職口を用意されたのはわずか2.7%の197人で、都市へ出稼ぎに出た人は1784人(24.8%)、引き続き農業に従事している人は1807人(25.2%)、他の産業に従事している人は1965人(27.3%)、無職は1434人(20%)。
最高指導部の「農村工作幹部チーム」の陳錫文・次長は、大規模な村統合は「古今東西、前例がない」、「農村がひっくり返されている。効果的に抑制しないと、大きな問題を引き起こす恐れがある」と指摘した。
また、米国農村発展研究所が作成した「中国農民土地権利の状況」という報告書では、大規模な違法な農地収用は中国の農民が直面する最大の脅威であると指摘した。同報告書は中国17の省の1500の村の農民への訪問調査に基づいて作成されたという。そして、農地収用のトラブルを解決するために訴訟を起こす農民は2%、当局機関に陳情するのは約10%、6割の農民は補償に不満をもっている、と報告された。