【大紀元日本3月28日】中国東北最大の政府紙「遼寧日報」傘下の夕刊は16点xun_齧ハトップの記事で、「馬鹿やろう!!!双匯ハム!!18回の検査も(通ったなんて)!」とタイトルで暴言を使用したことが、中国のネット上で論議を呼んでいる。
遼瀋晩報に掲載されたこの記事は、中国食肉大手・双匯集団が生産した有名ハムのブランドから、中国で使用禁止されている化学添加物「痩肉精」が検出された問題を取り上げた。製品は、18品目の食品安全検査も受けていると誇る同大手メーカーに対して新聞編集者が暴言を使い、「中国一の名ブランドの食品さえも安全の保証ができなければ、どうやって他の非ブランド品食品の保障ができるのか」と中国の食品安全問題を記事で問い詰めた。
「痩肉精」とは、合成化学物質クレンブテロールのことで、ボディビルダーに筋肉増強剤として使われ、豚の飼料に混ぜると脂肪を減らし、赤身肉の割合を増やす効果があるため、養豚業者にとっては売り上げをアップさせる「魔法の薬」とされている。しかしその副作用として、それを使用した肉を食べた場合、動悸、めまい、手足のしびれなどの急性中毒症状を起こし、高血圧症や心臓疾患のある人は死に至ることもあるため、厳しい取り締まりがされているはずの薬品である。
世界消費者権利デーにあたる15日、中国中央電視台(CCTV)は、「痩肉精」が精肉業者間で使用されている現状を暴露した番組「『エアロビ豚』の真相」を放送していた。中国国内各地のこれまでの報道によると、「痩肉精」含有の豚肉の食用で中毒した事件は各地でしばしば発生したという。中央テレビ3月15日の調査報道によると、「痩肉精」の使用は中国各地で蔓延しているという。
遼瀋晩報の暴言記事は、ネット上で各ニュースサイトやブロガーに広く転載された。個人の感情と主観意見を抑えるべきと求められる編集者の役割を破った同紙編集者のこの行為を、大半のニュースサイトやブロガーが支持した。
「中国の食品安全問題は繰り返され、大手メーカーが相次いで倒産し、国民の信頼が絶えず裏切られている。安心して食べることができ、毒のない食品はどこにあるのか、国民は常に疑問視している。もしメディア従事者の怒りが、良識のない企業や政府部門に改善を促す役割を果たすなら、このように怒鳴ってもよいのではないか」と鳳凰ニュースサイトがコメントしている。
厳しい世論からの圧力に、双匯集団は消費者に謝罪する声明を公表した。管理層に対しても免職処分などで責任追及を行っているという。