【大紀元日本4月26日】世界に211カ所ある原子力発電所から半径30キロ圏内で生活している人口は9000万人に上っている。これらの発電所周辺の多くは福島第一原発より人口密度が高い。英科学誌ネイチャーが22日、このような調査データを発表した。
同調査報告はネイチャー誌と米コロンビア大学との共同調査によるもの。福島第一原発から半径30キロ圏内の住民数が17万2000人に対し、アジア・北米・ドイツ・イギリス・ベルギー・スイスなどの地域にある21カ所の原発では、その住民数が100万人を超えており、うち6カ所は300万人以上となっている。中国では、該当地域の住民は合計で960万人いるという。
さらにこの半径を75キロに拡大すると、世界では5億人がその範囲内で生活している。アメリカは1.1億人超でトップ、中国の7300万人とインドの5700万人がそれに続く。中国広東省の大亜湾原発と近隣の嶺澳原発の75キロ圏内では2800万人が暮らしており、香港の一部地域もこの範囲内に入るという。
ネイチャー誌は、それぞれの原発に違う安全リスク要素が存在し、さらに人間に知られていない危険の存在を加え、原発の存在が周辺地域にとって、どれほどの潜在リスクを成しているのかを正確に評価することは「ほぼ不可能だ」と強調している。
一方、発電所の規模や方式、建設年数、さらに地震などの要素は一般的に安全リスクを左右すると考えられている。ネイチャー誌はさらに、人間による原発操作がもたらした「人的要因」も潜在的リスクだと指摘し、米原子力発電運営協会(INPO)会長が述べた「人類の過信がもっとも心配な要素だ」との話を引用して伝えた。
(翻訳編集・張凜音)