【大紀元日本4月26日】ロシアの石油パイプライン管理会社トランスネフチ社が20日に声明文を発表し、中国石油天然ガス(ペトロチャイナ)に対して、今までの未払い分1億ドルの支払いを促し、法的訴訟も辞さない姿勢を示した。対立の原因は、ロシア国内での石油の輸送費用の負担について、中ロ双方の意見が分かれている。
2009年に締結した中ロ両国間の協議によれば、ロシアがこれからの20年間に中国に原油を提供・輸送する。その見返りとして、中国はロシアの石油関連会社に計250億ドルの融資を行う。同協議により、ロシアは毎年中国に1500万トンの原油を提供する。石油価格の算定について、双方は当初から公表しなかった。パイプラインは今年1月1日より正式運営を開始した。
ロシア紙が先月、情報筋の証言を引用して次のことを報じた。今年2月末までに、ロシア側が提供した125万トンの石油に対して、中国石油は5.553億ドルの融資を行うべきだが、中国側は一方的に融資額を3840万ドル減らして、5.169億ドルしか支払わなかったという。なお、4月18日現在、ロシアはすでに中国石油に1年分の3分の1に当たる500万トンを輸送しており、その未払い額も1億ドルに達しているとロシア側は主張する。
対立の焦点は、ロシア国内における石油の輸送費用である。ロシア側は、中国側が同石油取引のロシア国内における輸送費用をも負担すべきと主張している。一方、中国側は、中国国内での輸送費用のみを負担すべきで、ロシア国内の輸送費用はロシア側の負担である、と主張している。
トランスネフチ社のバルコフ副総裁は、協議に基づいてこれからも中国側に石油を供給し続けていくと示し、同対立問題を解決するために、今年5月に双方が交渉の場を設けることを明らかにした。一方で、問題が解決されない場合は、同社は英国ロンドンの裁判所に法的訴訟を起こすことも辞さない構えであるという。
モスクワにある中国石油の事務所の王生滋・代表は本件について、ロシア側は中国への石油供給を中断するはずがないと述べ、「5月の交渉は必ず問題を解決できる」との見解を示した。
ロシア国内紙は、同対立は両国間のエネルギー分野での協力に影を落す、と報じている。