【大紀元日本5月26日】軟禁状態、借金生活、見えない将来への不安・・・昨年9月に尖閣諸島沖で日本の巡視船と衝突事件を起こした中国船の_zhan_(せん)其雄船長は帰国直後、英雄としてもてはやされたが、今はその栄光のかけらもなく、行動が制限され、悶々とした日々を送っているという。_zhan_船長が香港紙・明報の取材に対して、窮状を訴えた。
_zhan_其雄船長は事件後、18日間の勾留を経て、那覇地裁から不起訴処分を受け、中国へ送還された。福建省福州空港と地元に到着した際、政府幹部と住民らの熱烈歓迎を受け、英雄扱いだった。しかし、帰宅してから数日後、_zhan_船長は公の場から姿を消し、既に8カ月が経った。
監視の目をくぐって接触した香港明報によると、_zhan_船長は帰国後、当局の「全方位の保護下」に置かれ、実質上の軟禁状態となっているという。漁に出ることはもちろん、居住地から離れることも許されない。来客との面会もすべて事前に報告する必要があり、しかも「許可されない」という。_zhan_船長は現在、自宅にこもっており、将来に希望が見えないと語った。しかし、それでも「政府を信じている」との言葉を口にした。
政府は今後、_zhan_船長の漁船を買い取り、月収3千元(3万9千円)の仕事を与えるとの意向だが、以前の1万元(13万円)の収入と比べて、生活が苦しくなる。8カ月の無給生活で貯金は底をつき、借金で日々を凌いでいる。「政府に何も要求していない。少なくとも生きる手段を奪わないでほしい。船がなくなると、今後どうしたらいいのか」と不安や不満でいっぱいの様子だった。
香港の政治評論家・劉鋭紹氏は、日本を含む外国メディアとの接触を防ぐため、中国当局は今後も_zhan_船長への監視を続けるだろうとコメントした。
一部では、衝突事件はそもそも中国政府が日本政府の反応を試すための自作自演であり、_zhan_船長の口を封じるために、政府は軟禁措置を講じているとの憶測も出ている。
米VOAと香港明報は福建省政府の各部門に_zhan_船長の現状について問い合わせを試みたが、コメントを得られなかったという。「衝突事件が完全に注目されなくなるまで、この状態は続くだろう」と専門家は見ている。