【大紀元日本5月26日】中国の有毒食品がロシア当局を悩ませている。ロシアは最近、中国から輸入した落花生や米、蕎麦(そば)から有毒成分が検出されたため、商品を輸出元に返すという措置をとっていた。ロシア当局は、中国が食品安全の問題を解決しないと、両国間の貿易に影を落としかねないと懸念を示している。米VOAが24日に報じた。
同報道によると、ロシア農産物監督庁ザバイカル地方支部は、中国から輸入した落花生180トンに人体に有害なカドミウムが発見されたとして、これを輸出元に戻した。
また、中国と隣接するロシアの沿海地方でも同様な理由でおよそ60トンの「毒」落花生を中国に差し戻していた。ロシア南部のクラスノダル地方や、アディゲ共和国は合わせて175トンの中国産蕎麦を差し押さえた。これらの蕎麦には検査書類がないうえ、異常な匂いと味がするという。
今年2月にもロシア北東部最大の港・マガダン港で、ロシア国内に入荷する予定の中国産ジャガイモや人参、白菜などの野菜140トンから猛毒の残留農薬が検出されていた。
ロシアの獣医学・植物衛生管理局の幹部は、これらの事例以外にも、中国から輸入した米などにも多くの問題が存在していると指摘する。肉類に関して、現在ロシアではウサギ肉以外の肉類を中国から輸入することを禁止している。「中国は畜産業を発展させる一環として、ロシアに大量の豚肉と牛肉を輸出することを望んでいるのは分かっている。しかし、今の中国の食品安全水準にはわれわれは不安と不満を感じている」と同幹部は語った。
さらに、幹部は、中国当局が食品安全の問題を解決し、ロシア人の不安を取り払うことが、両国間の貿易がスムーズに行われる条件だと述べた。肉類の輸入に関して特に「飼料からの安全」が望まれるという。
もう1つロシア当局を悩ましているのは土壌汚染の問題だ。中国は近年、ロシア、特に極東地方で大量の土地を借りて耕作している。しかし、中国の農民が化学農薬を乱用し、また、使わなくなったビニールを農地に廃棄することなどにより、土壌の汚染が進んでいるという。あるロシア紙は最近、ロシア中部の農村に住む読者からの手紙を紹介した。この読者は、中国の農民が現地で耕作することに反対しているわけではないとしながらも、彼らが過剰に化学製剤を使い、土地を汚染していることに怒りを感じている。「このような問題は中国脅威論を裏付けている」とロシアメディアはコメントしている。