【大紀元日本5月27日】中国内モンゴル自治区シリンホト(锡林浩特 )市の庁舎前で24日、2000人以上のモンゴル族学生が、石炭採掘による環境破壊に反対していた遊牧民がトラックにはねられ死亡したことについて、抗議行動を実施した。米VOAが伝えた。
死亡した遊牧民は、反対運動の中心的な役割を果たしていた莫日根さん。今月10日、石炭を積んだトラックの通行を遮ったとして、はねられ、死亡した。事件後、各種の抗議活動が行われ、24日の大規模なデモに発展した。現在、当局が遺族への賠償金の支給とドライバーの逮捕を決定したのを受け、デモ隊は解散した。
2005年から内モンゴル自治区で石炭採掘が盛んに行われ、住民らは政府に環境破壊への懸念を伝えたが、対策が講じられていない。採掘が進むにつれ、遊牧地の砂漠化が深刻化し、遊牧できなくなった住民らが自発的に反対運動を行っている。
事件の背後に民族問題の影も潜んでいる。石炭の採掘を推進してきたのは漢民族。現在、同自治区の石炭産出量は中国一となっている。豊富な資源が漢民族に略奪され、環境の破壊で生計を脅かされてしまった遊牧民らは危機感を募らせていた。
さらに、有毒物メラミンが混入された「毒入り粉ミルク」は同自治区のメーカーが製造したもので、事件後、遊牧民らの収入が激減したという。
2400万の人口を有する内モンゴル自治区だが、漢民族の大量転入により、モンゴル族はわずか20%にまで減少した。
(翻訳編集・高遠)