【大紀元日本6月1日】中国共産党は5月30日、胡錦濤総書記(国家主席)主宰の中央政治局会議を開き、各地における「社会管理の強化」を呼びかけた。インターネットの統制を含む具体的な措置を指示し、中国で大規模な社会抗争が起きることへの警戒を示した。ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)が伝えた。
胡総書記は会議で、中国は「社会矛盾が突出した時期にある」ことを認め、各種の社会矛盾は社会管理を複雑かつ困難にしたと述べた。そのため、いま、「社会管理の強化」は、「共産党の執政地位と国家の長垣xun_タ定」にかかわる、重大な「戦略的意義」をもつ取り組みであると位置づけた。胡総書記は中央と地方政府に、社会矛盾を緩和させることを長期的かつ緊迫した課題として対応し、「社会抗争のリスクを軽減させる」ことを求めた。
その具体的な措置として、胡総書記は、特に「流動人口と特殊人口」の制御と適切な処置や、インターネットの統制などを強化する必要があると強調した。
今回の胡錦濤総書記の談話は、内モンゴル自治区で起きた30年来最大規模の抗議デモを受けた緊急対応だとみられる。RFIは、北京当局は内モンゴルのデモが「ジャスミン革命」に発展することを危惧し、特にこの種の街頭革命が中国各地に燃え広がることを恐れていると指摘した。北京で会議が開かれた日に、当局は大量の安全部隊と警察を内モンゴル自治区に増派し、全域における制圧を強化した。
内モンゴル自治区の抗議活動以外に、中国各地でくすぶっていた社会矛盾が限界点を迎え噴出し始める様相をみせている。強制立ち退きへの不満から江西省で政府庁舎が爆破されたり、ゴミ焼却発電所による環境汚染に反対する住民と警察との間で大規模な衝突が起きたりなど、エスカレートする一方の官民衝突に、当局は「モグラ叩き」の対応に迫られている。そんな中、天安門事件22周年となる6月4日も目前に迫り、燃え始めた社会矛盾の火を「社会管理の強化」という手段でなんとしても鎮めようとする政府の焦りと危機感が窺える。