【大紀元日本6月7日】台湾や香港で広がった「可塑剤騒動」は大陸にも及んでいる。中国衛生部は1日夜、可塑剤を衛生監督管理項目としてリストアップすることを緊急に公示した。背景には、中国では可塑剤を検査する項目は今までになかったことと、国内生産のインスタントラーメンなどの食品からも可塑剤が検出されたことがあるという。
可塑剤とは塩化ビニールを柔らかくするための薬剤。安価なため、一部の業者はそれをソフトドリンクなどの乳化剤として添加し、問題となった。台湾では5月末に、200社以上が可塑剤を使用したことが明らかになり、ほぼすべての大手食品メーカーが巻き込まれたという。
香港でも、発がん性のある可塑剤「フタル酸ビス2-エチルヘキシル(DEHP)」が99%の市民の血液から検出された、と香港紙・大公報が5月30日に報じている。DEHPは体内に入ると、発がん性のほか、生殖機能にも影響を及ぼす。
一方、大陸でも食品からDEHPが検出されていた。昨年10月、華南農業大学食品学院の柳春助教授らは、広州市で販売されている多くのインスタントラーメンやビーフンはDEHPなどに汚染されていると指摘した。検査対象は、広州市内の大型スーパーで販売されている複数の食品メーカーの56種類のインスタントラーメンと25種類のインスタントビーフン。検査結果では、半数以上のものに可塑剤が添加されていることが分かった。
同研究チームは食用油についても同様な検査を行ったが、類似した結果が出たという。柳助教授は、脂肪含量が高い食品ほど、可塑剤汚染されやすいと分析していた。
中国のインスタントラーメンの消費量は年間数百億個に達している。柳助教授らはこれらの商品についての監督管理を強化するよう呼びかけた。
(翻訳編集・余靜)