【大紀元日本6月9日】広東省潮州市古巷鎮で6月1日、賃金の不払い問題をめぐって傷害事件が発生し、被害者の出稼ぎ労働者は手足の筋肉と神経が切断されるなどの重傷を負った。これに関連し、事件処理に対する政府の姿勢が消極的だとして、出稼ぎ労働者を中心に約1万人が参加する抗議活動に発展した。
重傷を負ったのは四川省から来た19歳の出稼ぎ労働者の男性。6月1日に、男性は両親とともに、勤務先の陶磁器工場で未払い賃金の支払いを催促した際、社長と口論になった。その直後、社長は椅子を振り上げて殴りかかってきたため、息子をかばった父親が頭部を負傷して流血。さらに刃物を持った二人の男が、逃げた息子を追いかけてきて切りつけた。息子は、両手足の筋肉や神経が切断され、四肢としての機能を失うなど、重度の後遺症が残った。
事件後、社長と男らの行方が分からなくなっているが、地元古巷鎮政府は直後に社長の親族から口止め料として3000元(3万7000円)を受け取ったと伝えられている。その後の事件処理に、当局は消極的な姿勢を示している。
これを受け、四川省出身の出稼ぎ労働者が連日、政府庁舎前で抗議活動を行い、6日夜の参加者は1万人に達したと香港メディアは報じた。抗議活動の中、車4台が壊されるなどの騒乱が起き、9人が逮捕されたという。
政府メディアの新華社通信は抗議参加者を200人と報じ、その発端となった傷害事件の詳細には触れていない。
(翻訳編集・高遠)