クリントン米国務長官:中国のアフリカ投資は「新植民地主義」

2011/06/17 更新: 2011/06/17

【大紀元日本6月17日】クリントン米国務長官は、アフリカ三国歴訪の際に、アフリカ諸国は外国政府と投資家による「新植民地主義」を警戒すべきであると述べた。ロイター通信は、この発言では中国を名指しで挙げることはなかったが、明らかに中国をほのめかしていると分析している。

クリントン長官は、中国政府によるアフリカへの援助・投資は常にアフリカの人々の利益を考慮しているものではないと発言し、透明性と政治との関わりは、必ずしも国際基準に沿うものではないことを指摘した。

さらに、かつての植民地制度による統治について長官は、「外国人がアフリカにやってきて、自然資源を持ち去り、指導者にお金を払い、立ち去っていく。現地を離れる際、アフリカの人々にはあまり多くを残さない。アフリカで新たな植民地主義が現れることは望まない」と述べた。

クリントン長官はザンビアの首都ルサカで開かれた年度貿易会議の終了後、記者に対して上記の見解を示した。

近年、中国は経済成長による石油や炭鉱資源の供給を確保するため、アフリカへの投資を拡大し続けており、現在は主要投資国の役割を果たしている。投資の分野は石油や鉱産から、道路、ダム、公共施設などのインフラ施設におよぶ。

米VOAの関連報道によると、中国のアフリカでの投資プロジェクトは主に中国人を雇うものであり、現地のアフリカ人の採用は少ない。

米戦略・国際問題研究センター(CSIS)アフリカチームのジェニファー・クック主任は、VOAの取材に対し、「アフリカとの経済関係のなかで、米国にとって確かに中国はライバルだが、その一方で米国が憂慮していることは、中国がアフリカのエリートだけと接しており、これらの諸国の発展や、人権、経済活動による影響などには関心を持っていないことだ」と指摘した。

また同主任は、「中国当局が主張するいわゆる『他国内政を干渉しない』などの政策は、米国がアフリカで推進している『クリーンな政治体制』の実現にマイナス影響をもたらすため、米国政府はこの問題に対して強い関心を示した」と分析した。

 クリントン長官は、「彼ら(外国政府と投資家)の成果を望んでおり、善いことを成し遂げてほしい」と述べ、米国はアフリカへの援助・投資の分野において、中国との提携を強化する意向があると示した。

一方、中国政府は14日、クリントン長官の発言に反論。外交部の洪磊・報道官は同日の定例記者会見で、「中国とアフリカ諸国は歴史上、植民地主義の侵略と圧制を受けていたため、植民地主義は知り尽くしている」と述べた。クリントン長官の名前には言及しなかった。

(翻訳編集・叶子)
関連特集: