【大紀元日本6月26日】カナダのバンクーバーのウェストサイド地区に中国人の高級住宅街がある。ここの住民のほとんどは女性と子ども。「お父さん」らしき男性は年に数回出没する程度という。現金で購入した豪邸に住み、何台もの高級車を乗り回すこの一族の正体は、いわゆる「裸官」の家族なのだ。
「裸官」は別に「服を着ていない幹部(中国語で『官』とも言う)」というわけではない。「裸」は「家族がいない、1人」という意味を表す。つまり、1人で国内に残り、親族をすべて海外に移住させた国や地方の幹部のことである。
「裸官」は自分の権力を利用して、妻子を海外に移住させ、自分自身はしばらくの間1人で国内に残り、幹部職に従事し、職権を利用して蓄財する。その収入(多くの場合、不法収入)を海外の家族の元などに移し、自分の逃走手段も用意する。いざ汚職が発覚すると、家族が待つ国外へすばやく逃亡し、家族と共に海外で豪奢な生活を送る。バンクーバーはその彼らが好む地となっている。
「『裸官』は必ずしも腐敗幹部ではないが、腐敗幹部になる可能性がもっとも高い」。中国当局はこのように断言する(3月6日付「京華時報」)。それを裏付けるかのように、中国人民銀行が今月14日に発表した報告によると、90年代半ばから汚職幹部や企業トップ、在外政府機関、公安幹部など約1万8千人が8000億元(約9兆9000億円)の資産を海外に持ち逃げしているという。この中には「裸官」も少なくない。
(張凛音)