【大紀元日本6月29日】中国やマカオを訪問する観光客に対して、香港衛生局は22日、蔓延が確認されている猩紅熱(しょうこうねつ)に注意するよう呼びかけた。同局によると、すでに数千人が感染しており、今夏は更なる蔓延規模の拡大が懸念されている。
同局によると、22日までに、香港では2人の児童が死亡、中国全土では2万100件以上の感染例が報告されたと発表している。5月には9千300件が確認されており、前年同期比で3~4倍の勢いで感染が拡大しているという。
猩紅熱は主に2歳~8歳の子供がかかる伝染病で、39度以上の急な高熱とともに喉が赤く腫れ上がり、その後、全身に赤い発疹を引き起こすのが特徴だ。現在、日本などのように抗生剤治療が普及している国には見られなくなったが、以前は、適切な治療を施さなければ合併症により死に至る恐ろしい病と認知されていた。
一方、今年の猩紅熱はA群連鎖球菌の突然変異により感染力が強い性質をもっている可能性がある、と香港大学医学院の研究チームは調査結果を同局に報告している。さらに「既存の抗生物質に対してある程度の耐性を持っている」と、同大学微生物研究の専門家は指摘している。
同局は、今年報告されている猩紅熱は蔓延率が例年の2~3倍であり、過去10年間には見られない勢いで感染区域が拡大しているという。香港では21日、7歳の女児と5歳の男児の死を含む466件、マカオでは49件が感染報告されている。
マカオおよび中国への旅行者に対して同局は、訪問先ではしばしば手を洗うことと、空気の汚れた場所を避けるよう警告を流している。
(翻訳編集・佐渡道世)