【大紀元日本7月28日】広東省佛山市陳村鎮紺現村で23日、多数の村民と、土地調査の目的で村を訪れた男3人との対立が発生した。国内メディア「南方ネット」によると、市政府に恨みを持つ村民が、男たちの乗っていた車両を横倒しにし、3人を車の背面に縛り付け、火炎瓶を投げつけた。これにより1000人近くの武装警察が出動し、30人あまりの村民が逮捕された。
事件原因について、同村の龍さんは「土地収用の紛争が長い間解決されていないため衝突が激化した」と大紀元の取材に答えた。同村では、養魚池の所属権について当局と農村との間で長い間対立が起こっている。また村民はこの問題により警察に不当逮捕された維権(合法的権利を守る)村民を釈放するよう訴えていた。
大紀元記者が「逮捕された人はいつ釈放されるのか」と地区を管轄する警察に電話で回答を求めたが、「社会秩序に関する事件は、上級の宣伝部が発表する」とし、詳細を明らかにしなかった。
火炎瓶を投げつけられた男たちは、市政府によると「私服警官」と発表されているが、現場にいた農民によると、男たちは警官の身分証を所持しておらず、市政府が雇った「暴漢」だろうと推測されている。それには、農民が「警官に暴行した」との既成事実を作り、土地収用問題を有利に運びたい当局側の狙いがあるとみられている。
同村の_deng_さんは「現在、私たちにはわずかな耕地しか残されていない。大部分は市政府に収用されたが、賠償金が非常に少なく、多くの村民は生活苦に陥っている」と不満を訴えた。
中国の民衆の間には、「警察と土匪(土賊)は一家」という言葉がある。陳村鎮では、警察および市政府と農民との衝突事件は今回が初めてではない。そのたびに市政府は暴力グループを雇い、鎮圧してきた。
しかし、農民はこれまで、市政府による土地収用などの圧力に対し、焼身自殺などの自虐行為でその不幸を訴えてきたが、今回は、縛り付けた男たちに火炎瓶を投げつけるなど、当局側に対して直接的で極端な暴力行為を見せた。社会的弱者の不満は、臨界点に来ている。