【大紀元日本8月21日】駐中国の米国大使館は18日中国語のミニブログで、中国訪問中のバイデン副大統領一行が北京市内の大衆食堂で昼食したことを公表した。5人の食事代の総額は79元(約950円)だという。中国のインターネットでは、熱い議論となり、米国高官の庶民化ぶりに驚かされたことが窺える。
バイデン副大統領は今回の訪問について、米中両国の指導部の交流のほか、中国国民と直に接する意向も語っていた。そのためか、息子の妻と孫娘も訪問に同行した。
香港紙・明報によると、18日午前10時ごろ、北京市東城区にある鼓楼近くの大衆食堂・姚記炒肝に10数人の一行が訪れた。店主によれば、一行は中国国家安全局、米国大使館の関係者らしき人物であり、「重要な顧客が食事に来る」と告げ、店のセキュリティ状況を一通りチェックした。食材の検査や、他の客の入店禁止などは要求しなかったという。
「午後1時半ごろ、お客さんが現れました。初めて米国副大統領だと知りました。一行は店奥の3つのテーブルに座りました。仕切りもなにもなかったです」「一部の客は副大統領だと知り、食事が終わった後も店に留まり、副大統領と和気藹々とコミュニケーションすることができました。バイデンさんはとても気さくで友好的な人でした。記念撮影もしましたよ」
同行したのは、副大統領の息子の妻と孫娘、新しく中国に赴任したゲイリー・ロック大使夫婦。料理を注文したのは大使夫人だったという。
食事終了間際に、店主は副大統領に、「両国がともに豊かに繁栄すること、そして、人民がもっと幸せになることを願っています」と語った。それに対して、副大統領は大笑いしながら、「おう、素晴らしい、あなたは外交官になれるよ」と言葉を返したという。また、会計の際、店主に対し不便をかけたと謝り、支払った100元に対する21元のお釣は、チップだとして受け取らなかったという。
一行は約30分余り店に滞在した。店の周辺には物々しい警備が敷かれ、交通規制も行われたもよう。
中国国内情報サイト・財経ネットは同日、「米国指導者の中国訪問、『親民ショー』一覧」と題する報道を掲載。
「実際には、従来から米国大統領などが訪中のとき、自分たちの親民性を印象づけようとしている。中国一般国民の好感を得るためだ」と綴る同記事に対して、次のような読者コメントが殺到した。
「なぜ、わが中国の高官はこのような親民ショーをしないのか」「彼ら(バイデン副大統領ら)のはショーではない。本物だ」「彼らの笑顔は至って自然で、とても気さくだ」「米国の高官はなぜこのように低姿勢でいられるのか。このような国が強くなるのは当たり前だ。わが中国の幹部は、偉そうなほら吹きばかりだ。こんな国はいつになっても強くなるはずがない」
読者のこの反応は、数日前に中国に赴任した米駐中国大使ロック氏が北京に到着したときの様子とも関係する。一家5人がそれぞれの荷物を持ち、普通のワゴン車に乗り込んで大使館に向かったその低姿勢な振る舞いに、中国国民の感激の声が殺到し、中国では見慣れた幹部の偉そうな姿や贅沢ぶりと比較された。