【大紀元日本9月7日】ウィキリークスが最新に公表した米国外交公電では、中国企業が2年前に北朝鮮にミサイルの原材料である特殊鋼材を輸出しようとした、と記されている。米国国務省は駐中国大使館に対して、中国政府と本件の交渉を行うよう指示したとも報告された。
公表されたのは、2009年12月の米国国務省の内部機密公電である。
電文は、「中国の馬鞍山渾天設備有限公司(音訳)Maanshan Huntian Equipment Ltd. Companyが北朝鮮の武器貿易会社に数種類の特殊鋼材を輸出しようとしており、そのうちの一種は『チタンにより安定化された二相ステンレス鋼』である」「同特殊鋼材はスカッドミサイルや、ノドンミサイルを製造できる。国連安保理1718号と1874号決議案で、北朝鮮への提供が禁止されている」などと記した。
また、その記録によれば、米国務省が駐中国大使館に対して、中国政府の関係者に非正式文書を提示するよう指示した。また、中国側に核不拡散問題への関心を促すと同時に、本件の調査への協力を求め、中国企業が北朝鮮に輸出禁止物資を提供しないようしっかりと統制することを求めた。
同公電は、中国政府が「ミサイルおよびその技術コントロール制度」や、国連安保理の関連決議に違反した可能性を強調した。
ボイス・オブ・アメリカ(米VOA)は台湾の軍事専門家・鄭継文氏の見解を引用して、「北朝鮮、イラン、中国を含む多くの国々は、軍事近代化を加速させるため、あるいは他国を威嚇するため、合法あるいは非合法のルートを通して、必要な技術と設備を輸入する。決して珍しいケースではない」と報じた。
同公電は、「我々は核不拡散問題において(中国側との)更なる提携を期待しており、中国側の関連の行動にも感謝している。早急な回答を願う」と記した。
VOAは、「中国は国連安保理の常任理事国であり、多くの重大な決議案は中国の支持がなければ通せない」と報じ、そのため、米国政府も中国に強気な対応を取らなかったと分析した。
本件に関するその後の進展について、公電は触れていない。
一方、米国議会の今年6月の報告書によれば、2009年以来、オバマ政権は、ミサイルとその他の武器の拡散に関与した複数の中国企業に対して、6回ほど制裁を行った。