【大紀元日本9月16日】下水道の廃油や残飯などを原料とした地溝油(下水油)を製造・販売する事件がこのほど山東省などで摘発、関連業者32人が逮捕され、地溝油100トンが押収された。これほど大規模な摘発は今回が初めてである。中国広播ネットが伝えた。
同報道によると、山東省済南格林バイオエネルギー有限公司は生物ディーゼルを生産する名目で、浙江、四川、貴州、江蘇各省から一次精製された原料地溝油を仕入れ、1日あたり数10トンの地溝油を生産して河南省などの食用油の流通業者に販売していた。一方、卸売業者は地溝油だと知りながら「米ぬか油」などと偽って市場で販売していたという。
地溝油は通常の食用油と一見区別が付かないが、長期摂取により健康に悪影響がある。また、地溝油に含まれるアフラトキシンは最も発がん性の強いカビ毒で、ヒ素の100倍の毒性をもつという研究報告もある。
地溝油がレストランなどで使われていることはかつてから言われているが、最近では家庭の食用油にまで浸透したとの噂があった。今回の摘発は噂が証明された形となった。
武漢工業大学の何東平教授によると、年間200~300万トンの地溝油が市場に出回っており、国内の食用油市場の1割を占めている。しかし、この数字はまだ控えめだとの指摘があり、食用油の年間生産量と流通量の差は400~500万トン(2009年)で、この分は地溝油でまかなっている、と華農食品科技学院の王承明教授は分析する。
(翻訳編集・王知理)