【大紀元日本9月19日】上海市浦東区の康花団地の子ども25人の血中鉛濃度が基準値を超えていることが、上海市当局の発表で15日明らかになった。25人のうち、12人が入院しており、13人は治療を受けた。当局は団地近くにある蓄電池製造工場の排水と排気が原因だとみて、同工場に対して一時製造中止を通達した。
財新網16日付の報道によると、半年前からいつも落ち着かない様子をみせる3歳の女児が病院で検査を受けたところ、血中鉛濃度が基準値を超えていたことが分かった。同じ団地に住む他の子どもも相次いで鉛濃度の基準値超えが判明し、1歳9カ月のシンユちゃんは50μg/dlに達していた。
上海市地方紙・新民晩報によると、上海市環境保護当局は調査後、鉛中毒の主な原因は団地から1.5キロほど離れた所にある米資本「上海江森自控」(親会社は米ジョンソン・コントロールズ)が鉛を含む排水、排気を行ったからだとした。また、鉛の生産にかかわる「上海新明源汽車配件」も上海江森と同じ工業団地にあり、現在一部の生産を中止している。
上海市当局は今回の件について、専門家の意見を引用して、鉛中毒は治療を受ければ、血中鉛濃度は正常値に回復できると応対した。しかし、入院中のある子どもの親は、医師から、正常値に戻るまでには一般的に5日間の治療を2~3回繰り返す必要があり、また、骨の中に残留した鉛は時間がたつと血液中に滲出し、ふたたび治療が必要になると聞いたという。それに伴う入院費や治療費用はすべて自己負担だと親は悲鳴を上げている。
専門家は、鉛の除去は子どもの肝臓と腎臓に悪影響があり、また、鉛を除去する際にカルシウム、鉄、亜鉛なども取り除かれてしまうと注意を呼び掛けた。
上海江森を含め、上海市には17カ所の鉛蓄電池の企業がある。同市環境保護当局の以前の調査では、上海江森はすでに衛生生産を「実行している」と記されおり、排水及び排気の項目では「基準に達している」となっていた。