ロシア中国 国際フォーラム会談 互いの不満で終わる  

2011/09/21 更新: 2011/09/21

【大紀元日本9月21日】露中の関係はしばしば緊張状態に陥る。最近ロシアのイルクーツクで開かれた「バイカル国際経済フォーラム」でもそれは明確になった。

「かつて商業的に良好な関係を築いているとされた両国の地域協定は、すでに破綻するところまできている」と露紙コメルサント(電子版)は15日、報じた。

露中国交60年にあたる2009年に、露中戦略的パートナーシップの強化条約が結ばれたとき、エネルギー資源豊富な極東シベリア地区への中国からの投資が期待された。しかし、今月12日に開かれた「バイカル国際経済フォーラム」会期中の会談で、ロシアは、中国に期待する結果がもたらされなかったことに不満を述べた。

一方、中国新華社は、この会談について「会談は、互いに対する不満から始まった」と伝えている。中国側の代表団が、外国資本を引き込む能力に関する世界銀行の統計数字を引用して、ロシアの投資環境は十分にオープンで友好的ではないと指摘したという。

「一部のロシア人が中国の発展を脅威だとみなしている。その考えを捨てないと双方の協力関係は深められない」と代表団メンバーの一人、中ロ国境協力プロジェクトの責任者・王華江(音訳)は述べた。

日本、中国など28カ国から1500人以上の政府・企業代表が出席した同フォーラムでは、ユーラシアとロシア、アジア太平洋地域のエネルギー協力が主に話し合われた。特に中国は、2020年後にはエネルギーの需要が世界の資源のうち17.5%に達すると指摘された。

ロシア側代表団によると、エネルギー需要の高まる中国だが、資源豊富なロシア極東部への投資は十分なものでないと不満を突きつけ、中国代表団に対して、対露投資額は対アフリカ投資の8倍程度だと指摘した。これに対して中国は、アフリカのほうが投資環境が良かった、と答えたという。

中国とロシアの間ではエネルギー供給をめぐる交渉が価格面で合意に至らず、話し合いが長期化している。天然ガスについては今年6月、胡錦濤国家主席訪露にあわせた合意を目指していたが果たせず、また石油は、ロシアの石油関連大手2社が今月中旬、北京を訪れて中国国営の石油天然気集団(CNPC)と石油価格について協議したが、双方は主張を変えなかったため、物別れになっている。

ロシアのインターファクス通信によると、モスクワ郊外の公邸で中国の呉邦国全国人民代表大会常務委員長と会談したプーチン首相は、10月に中国を訪問することを伝えたという。再度、石油と天然ガスのエネルギー価格設定について話し合われることが予想されている。

 (翻訳編集・佐渡 道世)
関連特集: