【大紀元日本9月27日】中国建設業界でエコ建材と称されている「石炭屑レンガ」などの「新型レンガ」は、「おから」よりも脆い。新華社系列の「瞭望週刊」はこのほど、河南省や湖北省、広西チワン族自治区などで建てられた「新型レンガ住宅」は表面に亀裂が走り、いつ崩れてもおかしくないと報じた。
「おからのほうがよほど頑丈だ」。河南省鄭州市のある住宅団地の撤去作業を担当する責任者は、同誌にそう語った。同団地は全8棟で、「石炭屑レンガ」が使われていた。当初は住宅取り壊し対象者の移転先として建設されたが、完成してわずか2カ月で取り壊しが決まった。撤去現場に積まれたレンガは手で触れると、ぽろぽろと崩れるという。
河南省以外にも、広西チワン族自治区の区都・南寧市では低所得者向け住宅で使われる「粘土レンガ」は、「持ち上げると壊れる」という。また、湖北省鐘祥市では、 粘土や泥が固まってできた、大変もろい頁岩が原料である「頁岩レンガ」が使用されており、完成したばかりの建物にすでに大きな亀裂が走り、露出しているレンガは触ると粉末となって飛散する。情報を提供した華自勇さんは「不安でよく眠れない」と話す。
瞭望週刊によると、中国では毎年9000億個のレンガが使われており、石炭屑や頁岩は国が推奨する原材料となっている。これら「新材料レンガ」の製造には厳しい品質管理が必要とされるが、建設ラッシュが続く中、安全基準を大きく下回る低品質レンガも市場に多く出回っているのが現状だという。
一方、低品質レンガの多くは低中所得者向けの「保障房」に使われている。中国政府は今年10月までに保障房1000万戸の着工という目標を掲げているが、手抜き工事が相次いで発覚している。先月にも、安徽省でセメントを入れ忘れた保障房が報道されており、亀裂や水漏れは国内メディアにより数多く取り上げられている。