【大紀元日本10月3日】台湾の中央警察大学の副教授で有名な風水師・呉彰裕氏が、台中の犯罪防止協定の一環として「テロ防止策」に協力するという名目で、中国民主活動家や法輪功学習者など中国政府が「テロリスト」と定める団体や活動家たちの情報を中国当局に提供していたとして、検察から事情聴取を受けている。台湾の台北時報が1日、伝えた。
同紙によると台湾検察局は1日、台湾国内の民主運動家、チベット及び新疆ウイグル独立支持団体、法輪功学習者の情報を中国当局に提供していたとして、国家安全保障法違反の疑いで呉氏の大学の研究室や自宅の強制捜査を行い、本人に事情聴取している。
台湾はこれまで、中国政府が「テロリスト」と定める大部分の団体や活動家は、中国政府から「反体制派」と見なされているだけであるため、情報提供などの協力を拒否していた。
検察局によると、呉氏は昨年8月には、大陸のある有名な民主活動家が台湾入りするなどの関連資料を、複数の台湾検察官を通じて中国当局に提供したという。
呉氏は台湾の国立政治大学で政治学博士を取得し、現在は中央警察大学で中国政治学史を教える副教授。風水、開運の研究者としても著名な人物で、馬英九総統にも助言したことがあるという。近年はマスメディアにも姿を見せ、講演活動も行い、書籍も多数出版している。近年、中国の四川大学など大陸の大学でも教鞭を執っていたため、頻繁に台湾と中国の間を往復していた。
中国側に伝えたのは機密情報ではなく、ごく一般的な情報であり、金銭の授受もなかったと呉氏は容疑を否認しているが、検察は、台湾・中国間の往復航空券を贈与されたとの証拠を確認しているという。
また検察は、中国に渡った特定の人物の情報は国家の安全に関わるもので、呉氏と中国の仲介役をしていた林柏宏、呉東霖検察官の2人を、国家情報法違反の容疑で逮捕した。現在は両者とも保釈されている。