【大紀元日本10月15日】中国水利部の幹部はこのほど、水資源の保護と利用および水供給において、中国は大きな難題に直面していると表明した。水資源の不足による中国経済発展への脅威を回避するため、中国は今後10年間で、4兆元(約48兆円)を水利建設に投じるという。
中国水利部(省)の矯勇・次官は12日、中国の水利状況に関する記者会見の席で、中国の水資源の分布は非常に不均衡であるとし、それに加えて、工業化と都市化の加速や、用水の計画性が足りないなどの原因から、水資源の開発、利用および保護、水供給などの面で中国には難題が山積していると述べた。
中国では2002年に、南方の水を北方に引き込む「南水北調」プロジェクトが着工した。総投資額5000億元の同プロジェクトは北方地域の慢性的な水不足を解消することが目的であり、それにより、首都北京とその周辺地区の深刻な水不足を緩和できるという。
一方、過去30年間で、中国経済は高度成長を遂げたが、同時に自然環境を犠牲にしてきた。水資源の汚染が深刻で、ここ数年間、工業生産による環境汚染に反対する集団抗議事件が続発している。
矯勇・次官は今回の記者会見で、中国の水資源汚染問題に関する記者質問に対して、中国の水質状況は楽観視できないと認め、4割の水質は工業用水に限定される第四類あるいはそれ以下であると公表した。同次官は、国家の長期発展計画において、水資源の保護と水汚染の防止は最重要課題であると語った。
今年7月に中国政府主催の水利会議が開催され、今後10年間で4兆元の資金を水利施設整備に投資する計画が発表された。12日の記者会見で、9月末までにすでに2600億元の資金が投入され、2015年までにその額は1兆8000億元前後に上ることが明らかにされた。
(翻訳編集・叶子)