【大紀元日本10月28日】チャイナ・ドリームを追いかけて中国大陸に渡り、投資を行う台湾企業は十数年前から増える一方だが、それにより被害をこうむる企業も激増している。これらの企業代表が17日、自らが受けた被害を訴え、中国投資に意欲を示す台湾企業に警鐘を鳴らすデモ行進を台北市で行った。
今回のデモはこの種のデモとしては5回目
長い列を連らね台北市政府周辺で行進する30数台の大型トラック(撮影・王仁駿/大紀元)
。17日、30数台の大型トラックが長い列を作り、台北市政府周辺で行進した。車両には「福建、天津、大連、河北、武漢の闇を訴える」などと書かれた横断幕が飾られている。
行進終了後、代表者らが「海基会(台湾海峡交流基金会/台湾対中国窓口)」に陳情書を提出し、各自が抱える賠償訴訟への具体的な回答を求めた。
一方、中国に投資する台湾企業を保護するため、「海峡両岸投資保護協議」の締結が検討されてきたが、内容の調整が難航している。19日~21日、中国天津で開かれた台湾の「海基会」と中国の「海協会(海峡両岸関係協会)」の第7回の会合でも、双方は合意に至らず、調印は先に延ばされた。被害を受けた台湾企業の訴訟問題を解決する可能性も遠のいたという。
今回のデモに参加した丁秀雲さんは、被害者の1人。丁さんは湖北省東方金_yu_公司の15億人民元の株券を所有していたが、株券を売却した聯合公証所が地元の裁判所とグルになり、偽造文書を使って丁さんの株資産を全て横領した。丁さんは北京公安部経済犯罪検挙センターに訴えたが、未だに取り扱ってもらえない。「中国政府は人々を騙しているだけだ。海基会も海協会も名ばかりの存在だ」と丁さんは憤慨した。
嘉義市から駆けつけた90歳の被害者・張旭諤さんは、「世界のどこでも裁判に勝てば、賠償金が支払われるが、中国では裁判に勝っても、政府が賠償金の支払いを促さない」と訴えた。中国政府自体が法を遵守せず、司法が腐敗していると批判した。
陳吉盛さんの会社は1996年に福建省から撤退した際に、不動産証書を当局の土地局に預けた。しかし、当局が勝手に陳さんの名義と偽造書類を使って、1030万人民元(約1億2360万円)の借金をしたという。
「中国投資台湾被害者協会」の理事・沈柏勝氏は、中国共産党は20年前に台湾企業に対して、「台湾同胞投資保護法」で企業を誘致し、1999年に同保護法の執行細則を発表し、再び誘致したと指摘。現在、台湾企業の合法権益の保障を唱えており、さらに企業を騙そうとしていると語った。
同協会の理事長・高為邦氏は、中国の不健全な司法や権力腐敗のもとで多くの台湾企業が理不尽な投資経験を強いられたと指摘する。さらに台湾企業に対して、落とし穴になりかねないチャイナ・ドリームから目を覚ますよう呼び掛けた。