【大紀元日本11月4日】中国の「7・23高速鉄道重大事故」が発生して以来、中国政府は鉄道建設の全般的な見直しをはかっている。そのため、建設中の多くのプロジェクトが資金不足のために中断。労働者への賃金未払いが多発し、問題になっている。
ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、スタンダードチャータード銀行の統計データを引用して報道。それによると、中国鉄道部(省)の2011年第1四半期の債務は3000億ドルに達し、負債の対資産比率は58%を超過。先月には、数万キロの鉄道建設が資金不足により中断しており、現場の出稼ぎ労働者たちへの賃金未払いが深刻化している。
中国国営新華社の1日の報道によると、鉄道部はこのほど2千億元(約2.4兆円)の融資を得て、各種の支払と重点プロジェクトの建設に充てている。さらに今後、3千億元(約3.6兆円)の信用貸付けを受ける予定だ。
同報道はこれらの融資元を明かしていない。鉄道部も外部の問い合わせに対してはノーコメントを維持している。
ラジオ・フランス・インターナショナル(RFI)の報道によると、列車の車体の製造を担当する「中国南車」は、新華社報道の同日、鉄道部が先月末に60億元(約720億円)の器材購入代金を支払ったと公表した。「中国北車」も鉄道部から45億元(約540億円)の未払い代金を受けたという。
中国鉄道部はこのほど債券の発行で400億元(約4千800億円)の資金を調達したばかりだ。一方、幹部の汚職が横行し官僚体質が深刻な同鉄道部について、長期的な融資返済能力を疑問視する専門家の声は根強い。
(翻訳編集・叶子)