【大紀元日本11月12日】中朝両国の国境地帯で10月25日午後4時頃、境界線の鴨緑河を渡ったばかり脱北者が対岸の北朝鮮兵士に射撃された。中国の公安警察官らしき人物は現場に居合わせたが、いかなる救助も施さず、脱北者は死亡した。目撃者が撮影した一部始終の映像が韓国テレビで公開された。
韓国の民間団体「脱北難民人権連合」の金栄華(音読)会長がこのほど、この事件を公表した。
この事件を目撃した中国朝鮮族の観光ガイドは、携帯電話で一部始終を撮影した。韓国の国有テレビ局がこの約15秒の映像を放送した。
映像では、この脱北者が銃撃されて地面に倒れてから、中国の公安警察官らしき人物5人が現場に現れた。そのうちの2人は脱北者の様子を伺い、その他の3人は周りを見渡して目撃者がいないか確認する様子だった。
情報筋によると、金正恩氏が次期最高指導者と指名されてから、北朝鮮当局の脱北者への取締がますます厳しくなっており、「祖国の裏切り者」と見なしている。そして、最近では金正恩氏が、脱北者は射殺するとの命令を下したという。
一方、北朝鮮当局の射殺命令や中国政府の強制送還政策も、脱北者たちの決心を揺るがせられないようだ。彼らはもっと危険な脱出方法を選んだ。つまり、エンジンのない小船で海から韓国に渡るのだ。
韓国在住の一部の脱北者は、この手段は「自殺同然である」と話した。大波にさらされる危険性が非常に高いという。
彼らは、この手段で脱北を図り、海で命を落とした脱北者の数はだれも知らないであろう、と語った。
韓国政府の統一部の統計では、昨年末までに、計446人の脱北者が海から脱出できた。
(翻訳編集・叶子)