【大紀元日本11月16日】脱税の疑いがあるとして、北京市税務当局から受けた追徴課税処分に不服し、異議申し立ての準備を進めている中国の現代芸術家・艾未未(54)氏に対して、当局は14日に手続きの変更を通知した。これにより、異議申し立ての手続きが履行できなくなる可能性が出ている。
インターネットで反政府の言論を繰り返してきた艾氏は今年4月に脱税の容疑で連行され、約3カ月後に保釈されたが、今月初めに追徴課税と罰金で1500万元(約1億8千万円)の支払いを命じられた。支払期限は16日まで。異議申し立ての場合、845万元(約1億300万円)の貯金証明または担保を提出する必要があるとしている。
しかし、税務当局は14日、貯金証明の提出が無効だとこれまでの決定を翻し、845万元を直接、税務局の口座に振り込むようと新たに求めてきた。
これについて、同氏の弁護士は「受け入れられない」とし、「(振り込みは)容疑を認めたと解釈される可能性がある」と説明している。
艾氏は保釈されて以来、一貫して容疑を否認してきた。当局の一連の動きは「政治的な迫害」だと非難し、AFP通信の取材に「政府は私を徹底的に追い込もうとしている」と語った。
異議を申し立てると表明して以来、艾氏の元に全国各地の約3万人から計870万元(約1億600万円)の寄付金が集まったという。中に紙幣を紙飛行機に折り、自宅の庭に飛ばした人もいる。同氏は集まった資金を担保に異議を申し立てる準備を進めている。お金は今後返済する意思を示している。
政府メディア・環球時報は担保資金を「不法に集めた資金」と批判しているが、艾氏は14日、時事通信の取材に「(今回の運動は)当局の不公正な手法に対する民衆の普遍的な見方を反映している」と述べ た。
(翻訳編集・高遠)