【大紀元日本11月16日】中国東北部の吉林省で9日早朝、中国軍兵士4人が武器を所持し、グループで脱走を図り、3人が射殺された事件について、当局の公表がない中、様々な情報が飛び交っている。ラジオ・フリー・アジア(RFA)の報道によると、脱走兵の1人の実家がある村には公安警察が進駐し、外部の人の出入りはできなくなっている。また、脱走兵と思われている兵士の家族は所在不明になったという。
中国当局は、4人が脱走した理由や、名前、逮捕の詳細、現在の生死などの関連情報を一切公表していない。
そのような中、RFAは湖南省邵陽県谷洲鎮谷洲村の村民・張さんの証言を引用した。それによると、インターネットのミニブログに書かれていた脱走兵4人の名前、そのうちの1人の李鑫鑫さんは村の軍役中の若者と一致した。今年18歳で去年軍に招致されたばかりだったという。
張さんは、「いま村民たちは皆怖くて、連帯責任を問われるのを避けるため、このことに触れようとしない」と語った。
国外の中国情報サイト「維権ネット」は現地の私立学校教師の匿名の証言を引用した。それによると、同教師は13日、谷洲村の親戚の家を訪れようとしたとき、村の入り口で警備中の公安警察に止められた。特別な事情により、外部のいかなる人も村に入ることはできないが、数日後にこの命令は解除されると告げられた。教師は村の封鎖は脱走兵事件と関連していると語った。
9日、脱走事件が発生した直後、現地政府は緊急通知を出して、武器所持の脱走兵への警戒を呼びかけた。政府メディアも関連の報道を出し、各大手ウェーブサイトは相次ぎ、その内容を転載していた。しかし、2時間後に、関連の情報がこれらのサイトから取り下げられたもよう。中国当局も事件のその進展について、一切を公表していない。
吉林省交通管理支隊の公式サイトは9日午後4時30分頃、市民の質問に答えるとの形で、3人が射殺されて1人が逮捕されたと記した。当局は正式な公表を出していない。
そのような状況下、インターネットでは様々な説が飛び交っている。一部の書込みによれば、脱走兵はそれぞれ遼寧省や、湖南省、瀋陽市、黒竜江省の出身で、その名前も書き出されて、現在その家族は公安警察に強制連行されて、現地も封鎖されている。
RFAの記者が谷洲鎮の公安当局に電話取材したところ、関係者は「この件は軍に関連しているため、村の若者が脱走兵なのか、その村が封鎖されているのか等について、地方政府は一切知らない」と答えた。
中国政府が注目されているこの事件の進展を公表しないことに対して、国内外では疑問視する声が相次いでいる。