【大紀元日本11月21日】先月21日、英国の観光客夫婦が北京の天安門広場で中国人男性が焼身自殺する現場を目撃し写真撮影した。この事件は中国国内で情報封鎖されたが、英国紙デイリー・テレグラフが今月16日、その写真を掲載し関連報道を出した後、北京市警察当局は焼身自殺があったことを認めた。
英国人観光客のブラウン夫婦が10月21日に撮影した現場写真では、1人の中国人男性は天安門広場前の毛沢東像の前でうつ伏せに倒れていた。すぐ側には2人の特殊警官と、消火器を持つ私服警官らしき人物が立っていた。
ブラウン夫婦の証言によると、男性は焼身自殺をはかっていた。当時、周りには数百人の目撃者が傍観していた。
妻のパミラー・ブラウンさんはBBC中国語版の取材に対して、事件への恐怖を語り、当時の状況について次のように語った。「警察が彼の後ろを追ったが、この人はさらに早足で歩いた。彼の全身が燃えていた」「警察はすぐに消火器で火を消そうとしたが、彼の体は依然として燃えていた。その後、彼は地面に倒れこんだ。警察は消火を続けていた」。
同事件について、中国の国内メディアとウェブサイトでの報道は一切なかった。
事件発生の27日後にあたる16日、デイリー・テレグラフ紙が「天安門自殺:真相はゴミ収集車に捨てられた」と題する報道を出して、ブラウン夫婦が撮影した現場写真を掲載した。同紙の写真提示について、北京市公安当局は翌日、事件があったことを認め、その一部情報を初めて公表した。
公表によると、焼身自殺をはかった男性は42歳。湖北省黄岡地区の住民である。法廷の判決を不服とし、自殺をはかり、現在は回復中だという。
中国各地では焼身自殺による抗議事件が相次ぎ発生している。チベットでは今年、11人の僧侶と尼僧が中国政府の圧制に抗議して焼身自殺をはかり、そのうちの6人が死亡している。
また、中国国内紙「南方都市報」は別の焼身自殺事件を報道した。それによると、河南省鄭州市では3日、81歳の老女が家屋が現地政府に強制に取り壊されることを抗議して、焼身自殺をはかり、死亡した。息子夫婦も同様に焼身自殺をはかろうとしたが止められて、公共秩序破壊の罪で10日間、身柄を拘束された。